ドジャース・大谷 送金被害当初の3倍以上24億円超だった 水原一平容疑者銀行詐欺で訴追

2024年04月13日 01:30

野球

ドジャース・大谷 送金被害当初の3倍以上24億円超だった 水原一平容疑者銀行詐欺で訴追
銀行詐欺容疑で訴追されたと発表された元通訳・水原容疑者(右) Photo By スポニチ
 ロサンゼルスの連邦地検は11日(日本時間12日)、ドジャースの大谷翔平投手(29)の元通訳・水原一平容疑者(39)を銀行詐欺容疑で訴追したと発表した。違法賭博の借金返済に同投手の口座から胴元側へ不正送金した疑いだが、当初450万ドル(約6億9000万円)以上とされていた大谷の被害額は、3倍以上の1600万ドル(約24億5000万円)以上とされた。同容疑者の損失額は約4068万ドル(約62億円)に上るとされ、あまりに巨額な違法賭博の詳細が明らかにされた。 
 最高の相棒の、最低な裏切りの詳細が明らかにされた。米国での当初報道では「少なくとも450万ドル以上」とされた大谷の口座からの不正送金は、1600万ドル以上だったという。捜査を担当したマーティン・エストラダ検事は「大谷選手から信頼された特別な立場を悪用した。大谷選手は事件の被害者だ」と会見で強調した。

 水原容疑者は21年9月に違法スポーツ賭博を始めた。次第に多額の損失を抱えるようになり、返済に大谷の口座から送金していった。その頃、口座の連絡先を自分宛てに変更。大谷の初のMVP受賞発表3日前の同年11月15日には約4万ドル(約610万円)が初めて送金された。22年2月には取引が一時凍結されたが、電話で大谷本人を装い、銀行側の質問にも答えて解除に成功。送金は24年1月までで、水原容疑者が関係する機器やIPアドレスが使われていた。約2年間での総賭け金は約1億8294万ドル(約280億円)に上り、総額1億4226万ドル(約218億円)を得て、損失は4068万ドルに上るという。勝ち分は水原容疑者本人の口座に入金されていた。

 昨年11月に返済に困り連絡が滞ると、胴元から水原容疑者にテキストメッセージが届いた。「なぜ電話の折り返しがない?今、目の前で大谷が犬と散歩している。どう連絡を取ればいいか、聞いてみようか?」と大谷に借金のことをばらすという脅迫めいたものだった。2度目のMVP受賞発表の翌日のことで、大谷と愛犬デコピンにも被害が及びかねない事態となっていた。

 大谷と胴元との接触は最後まで確認されなかった。今月2、3日には直接聴取も受け、送金は許可していないと話し、証拠に携帯電話も提出した。そんな中、3日には移籍後初アーチを放った。騒動の中で「メンタルを言い訳にはしたくない。そこも含めて技術だと思っている」と話していたが、改めて強じんな精神力と人並み外れた集中力を証明した。

 エンゼルスに入団した18年、アリゾナ州の銀行支店を訪れ、水原容疑者が口座開設を手伝った。野球選手としての収入はこの口座に入金され、水原容疑者は大谷の会計担当者ら日本語の話せない周囲に対して、口座にアクセスしないよう大谷本人が求めていると伝えていたという。言葉の壁を悪用され、不正を隠され続けた。水原容疑者は12日(日本時間13日)、ロサンゼルスの連邦地裁に出廷する。有罪判決が出れば、最高で禁錮30年が科される可能性がある。

 ≪“名前刻印ワイン”くわえるデコピン投稿≫試合がなかった大谷はインスタグラムのストーリーズを更新。愛犬・デコピンが「DECOY(デコイ)」と書かれたワイン形のおもちゃをくわえる画像などを公開し「Thank you」とコメントを添えた。「デコイ」は入団会見で、「デコピン」の発音が難しい米国人に「元の名前」と説明した呼び名だった。12日(日本時間13日)からはパドレス3連戦で初戦は山本が先発。自身はあと1本に迫る松井秀喜氏の日本選手最多に並ぶ175本塁打を目指す。

≪過去の著名人の巨額金銭被害≫☆35億円・矢沢永吉(歌手) 98年に発覚。87年にオーストラリアでのビル建設計画を立て現地法人を設立。建設用地を購入も金庫番だった不動産業の知人が分譲住宅、ゴルフ場開発などに手を出し失敗。ビル用地は差し押さえられ競売で売却。その後、登記簿の偽造などが行われた。総額35億円の巨額詐欺事件だった。

 ☆約22億円・新庄剛志氏(現日本ハム監督) 今年3月31日に、過去に資金管理を任せた知人に大金を流用され、銀行口座の残高が約22億円から約2000万円になったことがあることに言及した。「人間は3日で忘れる。やられた方はお金なんかどうでもいい。信用していた人にだまされた痛みは凄く苦しい。人間不信になりかける」と話した

 ☆8億円・金本知憲氏(元阪神監督) 阪神で現役時代の04~09年にボートレース団体への預託金、農地取得などの名目で、少なくとも計8億円近くを親しかったボートレースの場外発券所を建設する会社の元役員の口座に送金。13年に証人として公判に出廷し「自分はばかだったと思う。一番の親友だと思っていた気持ちを踏みにじられた」と話した。

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