阪神・糸原 粘りの12球が生んだ同点劇 昨季一度もなかった「2試合連続無四球」阻止

2024年04月13日 05:15

野球

阪神・糸原 粘りの12球が生んだ同点劇 昨季一度もなかった「2試合連続無四球」阻止
<中・神>8回、代打・糸原は粘って四球を選ぶ(撮影・椎名 航) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神2-2中日 ( 2024年4月12日    バンテリンD )】 阪神・糸原は際どいコースをカットし、低めのフォークにも食らいついた。8回1死。代打で登場して勝野に3球でカウント1―2へと追い込まれてからが真骨頂だった。4球目からファウル、ボール、ボール。フルカウントに持ち込んだ7球目から5球続けてファウルで粘り、最後は12球目の外角低め直球を見極めて四球を奪い取った。
 走者で残り、木浪の左前打で二進、ノイジーの左飛で三進。近本の内野安打ではゼロ行進を20イニングぶりに止める本塁を踏み、後に続いて生還した小幡を、両手を広げて迎えた。

 たかが四球、されど四球。敗色濃厚からの同点劇は糸原の小さな抵抗がなければ始まらなかった。貢献を言葉にして手柄のようには語らない。代わりに平田ヘッドコーチが絶賛した。

 「まあ糸原だよね。やっぱり、あそこで四球で粘って粘ってさ、見せてくれたよ。健斗が一番の殊勲じゃないか」

 昨季はチームとしてリーグダントツの494四球。四球ゼロは143試合で12度しかなかった。同5位の84本塁打でも同最多の得点555を叩き出し、リーグ優勝の原動力と評された。今季は一転、リーグ最多の10本塁打でも、やはり“原点”は変わらない。

 0―1で敗れた11日の広島戦は今季初の四球ゼロ。柳に対して7回まで四球がなく、昨季一度もなかった「2試合連続無四球」が目前だった。延長12回引き分けの両軍で四球は一つずつ。阪神側が与えたのは8回の中田敬遠で、糸原の選球眼と粘りが余計に光る。四球の重要性、そして得点と連動することを改めて知らしめた。(畑野 理之)

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