ソフトバンクは中村晃がベルーナDの異様な雰囲気を吹っ飛ばす決勝打 チームは首位を堅持

2024年04月13日 06:00

野球

ソフトバンクは中村晃がベルーナDの異様な雰囲気を吹っ飛ばす決勝打 チームは首位を堅持
<西・ソ>8回、勝ち越し打を放つ中村晃(撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   ソフトバンク2-1西武 ( 2024年4月12日    ベルーナD )】 ソフトバンクは12日、西武に2―1で逆転勝ちし、2連勝で首位をキープした。同点に追い付いた8回に今季初スタメンだった中村晃外野手(34)が決勝の右前適時打を放った。今季、西武から加入した山川穂高内野手(32)が移籍後初めてベルーナドームに登場し、球場はブーイングの嵐。異様なムードに包まれた中、山川の加入で出番が減った打撃職人が存在感を示した。
 中村晃は強く握った右拳を突き上げた。8回に決勝の右前タイムリーを放つと感情をむき出しにした。

 「1点取った後でのチャンス。勝負どころでもあったのでね。いい投手なんで、集中していきました」

 埼玉県出身で慣れ親しんだベルーナドームでのヒーローインタビューでは珍しく自らに拍手を送った。柳田の適時二塁打で同点とし、なおも2死一、二塁のチャンスだった。FA加入した山川の人的補償で西武へ移籍した甲斐野の球を仕留めた。1ボールから151キロ外角ツーシームを強く引っ張って右前へ。「頼むからセーフであってくれ」。二塁走者・川村がヘッドスライディングで生還し、決勝点となった。

 「甲斐野と試合前は話したけど、勝負なんでね。そこは一切(感情)なしでいけたかな」

 この日は「6番・一塁」で今季初のスタメン出場だった。山川が負担軽減のためにDHで出場し、代打要員として開幕からベンチ待機が続いていたベテランに出番が回ってきた。「せっかくチャンスを頂いた。ずっとヒットも出てなかったし、結果もですけど何よりも勝ちたいなと思っていた」。今季これまでの5試合は全て代打からの出場。1打席に懸ける思いはスタメン出場でも同じだった。適時打を放ち、今季初打点を刻んだ6日の楽天戦以来、自身出場3試合ぶりの安打で仕事を果たした。

 チームは7、9日に今季初の連敗を喫したが、2連勝で貯金を今季最多タイの4に戻した。投手戦の中、打撃職人が抜群の勝負強さを発揮して、首位をがっちりキープ。小久保監督は「本当、初スタメンでさすがです!」と称えた。

 ここぞの場面で集中力を発揮した17年目のベテランは「ライオンズは今、乗っているチーム。いいゲームができたので、明日も勝ちたいと思います」と力強く言った。山川、ウォーカーの加入で一発長打がクローズアップされているが、こんな頼りになる男もいる。 (井上 満夫)

 《洗礼を浴びても4番が執念の安打》山川が昨季までの本拠地・ベルーナドームに移籍後初登場し、大ブーイングを浴びた。第1、2打席はともに今井のスライダーに空振り三振。6回に直球を仕留めて中前打を放ったが、8回の甲斐野との対決では見逃し三振に倒れ、音の大きさを表現する単位のデジベルでは電車通過時のガード下での騒音以上となる108.3を記録した。古巣ファンの洗礼を「敵にしたら怖いなと」と振り返りつつ、「僕も当然感謝してますし、育ててもらったことは忘れてない。また明日も勝負はあるので。こっちはこっちで必死にやってく。それかなと思う」と口にした。

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