「僕も好きなんで」オリ・宇田川がWBCの“戦友”阪神・湯浅にエール 再び大舞台で投げ合いを

2024年09月10日 07:30

野球

「僕も好きなんで」オリ・宇田川がWBCの“戦友”阪神・湯浅にエール 再び大舞台で投げ合いを
2023年、WBC壮行試合前に中日・立浪監督(中央)にあいさつをする侍ジャパンの湯浅(左)と宇田川 Photo By スポニチ
 国指定の難病に罹った“戦友”を、オリックス・宇田川は気にかけていた。23年の第5回WBCで侍ジャパンの一員として共闘した阪神・湯浅が、「胸椎黄色じん帯骨化切除術」を受けて8月25日に退院。剛速球や切れ味鋭いフォークを持ち味とした投球スタイル、22年に頭角を現して代表入りまで登り詰めた経歴、そして同じ右投げの中継ぎと共通項の多いライバルの苦境に、心を痛めていた。
 「ちょくちょく(2軍で)投げているのは見ていたんですけど、投げなくなったなと思って。連絡したら、その話を聞いたんで。お互い春先に苦しんでいましたし、2軍で過ごす日々が長かったので、“早くお互い1軍で投げようね”って話はしていました。僕は今1軍で投げているので、しっかり元気よく投げている姿を湯浅にも見てもらえるように頑張ろうって気持ちです」

 2投手は昨シーズンも故障や不振に苦しみ、ウエスタン・リーグで互いに登板する日もあった。それでも逆境を乗り越え、日本シリーズ第4戦ではそろって8回に好救援。シーズン後には戸郷、大勢(いずれも巨人)を加えた4人で大阪府内の焼き肉店で会食し、さらなる躍動を誓い合った。世界一をともに勝ち取った仲間の存在を湯浅は「同志」と表現。そんな湯浅のことを「僕も好きなんで」と語る宇田川は、再び大舞台での“共演”を思い描いた。

 「自分が言うのもあれなんですけど、湯浅だったらしっかり復帰して1軍で投げられると思う。そこを楽しみにしているので。(来年の)交流戦でも、やっぱり日本シリーズでも、また大舞台で一緒に投げ合えたらいいなと。ここ最近お互いに悔しい思いをしているので、晴らせるときが来たらいいなと思います」

 宇田川自身、今季は8月24日に今季2度目の昇格を果たすまで3カ月の2軍調整を強いられた。昨季途中から抱えていた右肩痛を引きずり、開幕は2軍スタート。4月21日に初昇格も、理想像とかけ離れた内容にもがき苦しみ続けていた。

 「失敗を恐れたり、いろんなことを考えて投げて、抑えても悔しいというか…。自分の投球ができていないとずっと思っていた。フォームのこともですし、指先にも(ボールが)かかっていなくて…」

 5月17日に登録を抹消されるまでの6登板全てで四球を与え、長い再調整の時間に突入。再昇格後の4登板で計1四球と、春先とは変貌した姿を見せている現在は「守りに入るんじゃなくて攻撃するつもりで、強気で残り試合投げていこう」という心持ちでマウンドに上がっている。「まだCSに出られるチャンスがあるので。自分がマウンドに立つときは、しっかり腕を振ってビビらず投げたい」。シーズン残り18試合、オリックスの背番号14はアグレッシブなスタイルで相手打者を抑え込み続ける覚悟だ。(記者コラム・阪井 日向)

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