巨人・阿部監督の腹の据わった勝負手 先発・菅野を5回、わずか57球で交代 槙原寛己氏が分析

2024年09月10日 22:37

野球

巨人・阿部監督の腹の据わった勝負手 先発・菅野を5回、わずか57球で交代 槙原寛己氏が分析
<広・巨>7回、浅野の左翼線適時打で生還した吉川尚を出迎える阿部監督(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   巨人6ー1広島 ( 2024年9月10日    マツダ )】 首位・巨人は2位・広島との敵地での3連戦に先勝。阿部慎之助監督が先発・菅野を5回57球で交代させたことを、元巨人の槙原寛己氏(スポニチ本紙評論家)は「勇気を持った采配」とし、今季14勝目を挙げた菅野智之投手の復活の理由も分析した。
 腹の据わった「勝負手」だった。巨人・阿部監督は中8日で先発の菅野を5回57球で交代させた。広島打線にしてみれば、それまで手も足も出なかっただけに「ラッキー」との思いもあったはず。指揮官はそんなリスクも頭に入れながら、「次の次」を見据えて勇気を持って手を打った。21日の広島戦。再び敵地マツダで、ビジター10連勝の右腕が登板する可能性が出てきた。

 それだけの信頼感を取り戻した菅野も見事だ。昨季はわずか4勝止まり。今季はこの日で14勝目で、ほぼ完璧な内容だった。初回、2回はわずか8球ずつで3者凡退。直球、変化球とも吸い込まれるようにコーナーに決まっていた。かつて球界に君臨した絶対エース。苦難の末にたどり着いた「力を入れて無理に出力を出そうとしない」という新たな投球スタイルが光る。

 フォームの力感をなくしてリラックスして投げる。力任せに無理に三振を奪わなくても、アウトを取ればいい。シンプルな思考が投球から伝わる。力まず投げることで逆に変化球の切れが増した。特にフォークの精度が上がっている。今年10月で35歳。年齢も、新たなスタイルも受け入れた円熟の投球は、実は以前より「凄み」は増している。投手寿命も延びるだろう。

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