【阪神2軍リポート】高卒3年目期待の捕手・中川「“人”として素晴らしい」坂本のような捕手目指す

2024年09月10日 05:15

野球

【阪神2軍リポート】高卒3年目期待の捕手・中川「“人”として素晴らしい」坂本のような捕手目指す
阪神・中川勇斗
 【阪神2軍リポート】鳴尾浜で汗を流す若虎を取り上げる「2軍リポート」。高卒3年目の中川勇斗捕手(20)は9日時点で打率・323、4本塁打、27打点を残し、打率・265、3本塁打、18打点だった昨季に比べて打撃向上が目覚ましい。8月に2軍で調整した坂本からは捕手としての姿勢も学んだ。
 高卒3年目の中川が大きく打撃成績を伸ばしている。身長1メートル72の小柄ながら、パンチ力と確実性を兼ね備える右打者だ。

 「今年はメンタル面が変わったのが大きいと思う」

 打席に立つ時のテーマは積極性。昨季までは状態が悪くなると、球を見てしまう傾向にあった。今季は考えを一新。ファーストストライクからフルスイングをかけることに常に意識を置いてきた。8月15日のウエスタン・リーグ、オリックス戦が顕著。0―0の6回1死二塁から代打で登場し、3ボールから決勝の特大アーチを左翼席へ描いた。

 「去年は打席で迷って、自分と戦ってしまっていた。今年はネクストにいるときには、もう準備が整っていて、1ストライク目から自分のスイングができている」

 一方で、守備面はまだ途上だと自覚。「スローイングとか、投手とのコミュニケーションとか…正直、全部まだまだ。レベルアップしないと、上ではやっていけない」。野村2軍バッテリーコーチとともに、二人三脚で捕手としての研さんを積んでいる。

 目指す捕手像は身近にいる。坂本だ。「捕手という以前に“人”として素晴らしい方」。坂本は8月11~19日まで2年ぶりに2軍で調整。スタッフや選手への配慮や投手との会話、練習姿勢などを目の当たりにし、感銘を受けた。

 「自分と真逆というか、足りていない部分を見せつけられている感覚だった。キャッチャーとして、“目指すなら、この人やな”って思いました」

 悔しい思いから始まった1年だ。2月の春季キャンプでは初めて1軍組に抜てきされながら練習中に右足を負傷し、2月10日の第3クールから2軍組に合流。「あれで1年終わったというレベル。もったいないし、今年一番、悔しかった」。再発防止のため、体のケアの仕方も見直した。母校・京都国際は今夏の甲子園大会で初優勝。「高校の名前より、自分の名前が先行して覚えてもらえるように頑張りたい」。未来の扇の要へ向けて礎はできつつある。 (松本 航亮)

 ◇中川 勇斗(なかがわ・はやと)2004年(平16)1月27日生まれ、愛知県出身の20歳。京都国際では3年の春夏連続で甲子園出場し、夏は4強。21年ドラフト7位で阪神入り。1軍出場なし、2軍通算172試合で打率・294、10本塁打、60打点。1メートル72、75キロ。右投げ右打ち。

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