川崎が史上年少4位19歳175日でツアー2勝目 「まぐれと思われたくない」2週連続予選落ち乗り越え

2022年10月24日 04:30

ゴルフ

川崎が史上年少4位19歳175日でツアー2勝目 「まぐれと思われたくない」2週連続予選落ち乗り越え
優勝し笑顔の川崎(撮影・成瀬 徹) Photo By スポニチ
 【女子ゴルフツアー NOBUTA GROUPマスターズGCレディース最終日 ( 2022年10月23日    兵庫県 マスターズGC=6585ヤード、パー72 )】 首位で出たルーキーの川崎春花(19=フリー)が5バーディー、2ボギーの69で回り、通算15アンダーで混戦を制し、9月の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯以来となる2勝目を飾った。19歳175日でのツアー2勝は招待選手を除けば畑岡奈紗、宮里藍、笹生優花に続く史上4番目の年少記録となった。同じ19歳の佐藤心結(ニトリ)が「65」の猛チャージも1打及ばず2位に終わった。
 1カ月前のシンデレラは今週も強かった。18番のグリーン上。川崎は「自分がウイニングパットを打つんやぁ」と感慨にふけったのも一瞬、最後は淡々と50センチのパットを沈め、混戦を制した。先に目を潤ませた高校の同級生、森田彩聖キャディー(19)からは「泣いてよ!」と言われたが、涙はない。笑顔のハグで喜びを分かち合った。

 先月、無名の19歳が日本女子プロ選手権を制した。無欲の4打差逆転劇だった。今回は違う。最終日の最終組から「意識して」つかんだ優勝。一見、プレーは淡々と見えるが、1番ではスコアを記入する手が震えた。朝は予定より1時間半も早く起床し「川のせせらぎ音」を流しても眠れなかった。極限の緊張と戦っていた。

 19歳175日でのプロ2勝目は招待選手を除けば史上4番目の年少記録。その道のりは平たんではなかった。メジャー覇者の肩書、豪華メンバーとのペアリングに重圧を感じ、2週連続で予選落ちも経験。周囲の変化に戸惑い、9月末には食事に向かう車中で気分が悪くなり、引き返した宿舎で嘔吐(おうと)した。ただ「まぐれと思われたくない」。その思いが、2勝目の原動力となっていた。

 運命の最終日。1番で3パットのボギーには「腹が立った」。12番ボギーには「自分に幻滅した」。いずれも直後のバーディーでバウンスバックした。河本とマッチプレーの様相となったV争い。元々、攻めるゴルフが身上の川崎は怒りを力に変えるゴルフで自ら流れをつくった。その勝ち方は川崎の人生そのものだった。

 前夜は家族で川崎家の勝負飯「焼き肉」で決起集会。大会序盤はパットに苦しむも自身の動画をチェックし、ボールを指4本分、体に近づけて立て直すなど修正力も光った。「2勝目は難しいと聞いていたので凄く自信になります」。口調ははんなり、だが芯の強さを感じさせる京都出身の19歳。2勝目の壁を破った今、もう、立ち止まらない。

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