薬物事件に揺れる日大、2時間超の会見 林理事長「隠蔽」「お飾り」強く否定、アメフト部の今後は…

2023年08月08日 17:49

アメフト

薬物事件に揺れる日大、2時間超の会見 林理事長「隠蔽」「お飾り」強く否定、アメフト部の今後は…
<日大アメリカンフットボール部に関する記者会見>会見で頭を下げる日大・林理事長(撮影・郡司 修) Photo By スポニチ
 日大は8日、アメリカンフットボール部の違法薬物事件に関し、林真理子理事長、酒井健夫学長、沢田康広副学長が都内で会見を行った。
 冒頭、林理事長は「学生が1人逮捕されました。このことは大変に遺憾であり、理事長として深く受け止めるとともに、本学の学生、生徒、卒業生、保護者の方々、関係者の方々に多大なご迷惑とご心配をおかけしたこと、またこの問題に関しまして私どもが正式に説明いただくことを設けました際に、時間が要しましたことも心から深くお詫び申し上げます」と謝罪。約7秒間、頭を下げて約2時間15分に及ぶ会見は始まった。

 アメフト部の3年生部員が5日に覚醒剤と大麻を所持していた疑いで逮捕された。大学側は7月6日に同部の寮で植物片や錠剤を発見したが、警視庁に届け出たのは同18日で、12日間の空白期間があった。

 空白期間や会見までに時間を要したことで隠蔽ではないかという質問に、林理事長は「隠蔽と言われるのは遺憾。情報もきちんと把握していなかった。隠蔽という言葉がどこから出てくるのか分からない。きちんと精査しなければ捜査に影響が出てしまう。きちんとご理解いただきたい。隠蔽という言葉を使うのは遺憾」と「隠蔽」という単語に強い拒否反応を示した。

 また、「昨今、理事の中に旧体制の勢力が残っていて、私がお飾りの理事長であるという報道がなされているようでありますが、そのような評価を私はとても残念に感じております」と一部報道に対しても反論した。

 会見で明らかになったのは衝撃の新事実だった。昨年11月下旬、アメフト部の学生1人から、同7月頃に大麻と思われるものを吸ったと自己申告が、指導陣に対してあった。

 物的証拠もなく、4カ月が経過していたことから、相談した警察関係者からは事実の立証は困難と回答があったという。この部員に対する処分は「厳重注意」で、競技スポーツ部を所管する沢田副学長は口頭での注意かと問われると「そういうことです。そういうことのないように、という注意」と甘い処分だったことが明らかになった。

 日大が出場予定の関東大学リーグ1部上位「TOP8」は9月2日に開幕。リーグ戦に参加するかどうかの回答期限は明日9日という。リーグ戦への参加について、沢田副学長は「まだ決定しておりません。監督等々と協議する」と説明。「薬物使用に複数人の部員が関わっていたと明らかになっていた場合、部の存続というのは…」と問われると「仮定の話なのでよく分かりませんが、複数、多数の者が関わっていたというのであれば、それを前提に考えなければならないと思っています」と話し、廃部も視野に入ることを明かした。

 日大アメフト部は18年に悪質タックルが社会問題に。21年には田中英寿元理事長の脱税事件など、不祥事が相次いだ。21年12月に田中元理事長が辞任し、22年7月に初の女性理事長として林氏が就任。「新しい日大をつくる」というモットーを掲げ、組織改革を目指していた。

 情報伝達に齟齬があったとした林理事長は、「スポーツ(の現場や運営)に関して遠慮があった。スポーツの現場は私の分野ではないと遠慮があった。もっと積極的にグイグイ遠慮せずにいけばよかった」と反省。今年7月、就任1年となった会見でイメージ回復への改革は「今は6合目」と話していたが、この日は「6合目からかなり後ずさりしてしまった感が免れない。これは本当に無念なこと。後ずさりしたけど、これを大きな契機と考え、ここで体力つけてまた一気に7合目まで登っていきたいと思っています」と不退転の決意を示していた。

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