元ラグビー日本代表・大八木氏スペシャル対談土田会長編 第6回 今後、国内ルール導入はあるのか

2023年09月10日 06:00

ラグビー

元ラグビー日本代表・大八木氏スペシャル対談土田会長編 第6回 今後、国内ルール導入はあるのか
スクラムをセットをする埼玉 稲垣、堀江、ヴァルのフロントロー Photo By スポニチ
 元ラグビー日本代表の大八木淳史氏(62)が、日本ラグビー協会の土田雅人会長(60)と対談を行った。同志社大の先輩、後輩として大学選手権3連覇に貢献した二人だからこそ、ワールドカップ(W杯)に挑む日本代表のこと、日本ラグビー界発展への取り組みなどを本音で語り合った。
 第6回は「今後、国内ルール導入はあるのか」(最終回)

 大八木 日本ラグビー界だけのローカルルール導入などの考えはありますか。

 土田 先に話はしましたが、リーグワンではスーパーラグビーのいいところを取り入れられないかなと考えています。レフリーが優位にジャッジする。TMOのレフェリーじゃなく。レッドカードが出たら20分で他の選手が代わりに出られるようにするとかね。スーパーラグビーで成功しているのでマネしていきたい。
 それとスクラムですね。スクラムが落ちた時に実際にどちらが先に落としたのかはっきり分からないじゃないですか。どっちが落としたかわからないスクラムに対して本当にペナルティーを与えるのか。昨年度(22―23年度)、実はスクラムアゲインを日本からなくして、フリーキックにしようと思ったんですよね。でも、日本代表の長谷川慎コーチから“日本代表のスクラムがもっと弱くなるから導入は待って欲しい”と言われました。

 あと、ラインアウトに並ぶ時の時間制限とかね。野球みたいにタイムを掲示してね。早く、スピード感をもってインプレーを増やすことを12月に始まる今季のリーグワンからから考えています。テストマッチじゃないので、見る側が“おもしろい”と思える試合をした方がいいと思いますから。

 大八木 本当にそう思います。エンターテインメント性を高めた方がね。
 それとね。日本代表キャップの保持者をもっと活用したらいい。国内でのテストマッチのときに、歴代のキャップ保持者が座れる場所を確保してファンに紹介するとかね。引退したらみんな寂しいと思いますよ。

 土田 本来なら海外みたいに、ちょっと食事会してみたり、スピーチしてもらったりね。この試合は、何年代に活躍した元日本代表選手を招くとかの方法はありますね。今、JAPAN BASEに歴代のキャップホルダーのプレートを飾っています。

 大八木 個人的な意見ですが、7人制はキャップの授与は辞めてもいいんじゃない。オリンピック種目なんで、目指すものはメダルじゃないですか。国立競技場には東京オリンピックで優勝したフィジー選手のプレートが飾ってあるじゃないですか。そこを目指せばいいんじゃないですか。私の信頼する先輩からアドバイスをいただきましたと、どこかの場で話しておいてください。ありがとうございました。
    (おわり)


 ◇土田 雅人(つちだ・まさと)1962年(昭37)10月21日生まれ、秋田県秋田市出身の60歳。秋田工からラグビーを始め、同志社大―サントリー。同志社大時代は大学選手権3連覇に貢献、サントリー監督として日本選手権優勝。97年から99年まで日本代表フォワードコーチ。22年から日本ラグビーフットボール協会会長。現役時代のポジションはナンバー8。日本代表キャップ1。

 ◇大八木 淳史(おおやぎ・あつし)1961年(昭36)8月15日、京都市生まれの62歳。伏見工からラグビーを始め、同志社大―神戸製鋼。同志社大時代は大学選手権3連覇、神戸製鋼時代は日本選手権7連覇に貢献。現役時代のポジションはロック。日本代表キャップ30。

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