ラグビーW杯いよいよ開幕 “笑わない男”稲垣啓太はブレない男「自分たちのラグビーぶつける」

2023年09月10日 05:30

ラグビー

ラグビーW杯いよいよ開幕 “笑わない男”稲垣啓太はブレない男「自分たちのラグビーぶつける」
<日本代表練習>しこを踏む稲垣(撮影・篠原岳夫) Photo By スポニチ
 4年に1度のラグビーの祭典、第10回ワールドカップ(W杯)フランス大会が8日に開幕。日本代表は10日、1次リーグ初戦となるチリ戦(トゥールーズ)に臨む。9日には試合会場で前日練習を行った。3大会連続出場となるプロップ稲垣啓太(33=埼玉)は15、19年大会の初戦で白星に貢献し、各大会で日本は大躍進。W杯を知り尽くす“笑わない男”が、初戦への意気込みを語った。8日の開幕戦でA組の開催国フランスが優勝3度のニュージーランドに27―13で勝利した。 【試合速報  順位表
 “笑わない男”はブレない。前日練習後に行われた会見。チリ戦で節目の日本代表通算50試合出場を迎える稲垣は、初戦の臨み方で大切なことを語る際に「自分たち」と、自らに言い聞かせるように、約15分間で9度も口にした。

 「今、自分たちができる準備はできた。プレッシャーを感じない選手はいない。自分たちが積み重ねてきたことを信じれば、プレッシャーがかかってもプレーできる。自分たちがやるラグビーをぶつけていきたい」

 全体練習では短距離ダッシュやミニゲームで芝の感触を確認。W杯の初戦という難しい試合前も、当たり前のように表情は変えず、淡々とメニューをこなしていた。

 W杯決勝までの道のりを「エベレスト登頂」に例えて活動し、優勝という“山頂”を目指す今大会。大会本番は酸素が薄く一つのミスが命取りとなる“デスゾーン”と表現してきた。その域で最初の対戦相手となるチリは大会初出場で、他国に比べて情報が少ない。だからこそ「相手どうこうではなくて、自分たちがどういうラグビーをしたくて、相手にぶつけるかが全て」と、あくまで自らの足で歩み登り始めることが重要だと説いた。

 15年イングランド大会の初戦となった南アフリカ戦では後半から途中出場し、“ブライトンの奇跡”と呼ばれた歴史的逆転勝利に貢献した。自国開催だった19年大会の初戦となったロシア戦は先発出場し、再び逆転勝ち。勢いに乗って1次リーグを4戦全勝で突破し日本史上初の8強入りを果たした。自身3度目のW杯でも三たび初戦白星とスタートダッシュを見据える。

 終始、一貫したコメントで「自分たちのラグビーを100%ぶつける。それに尽きる」と強調した稲垣。今回のチームスローガンは「Our Team」。私たちのチームが、トリコロールの地で新たな歴史を刻んでいく。

 ≪過去2大会の初戦≫
 ☆15年(対南アフリカ、○34―32)当時世界ランク3位の相手にリーチ、五郎丸のトライで食らい付き、3点差の終了間際のペナルティーでスクラム選択。最後はヘスケスが逆転トライを決め、世紀の番狂わせを演じた。

 ☆19年(対ロシア、○30―10)前半4分にミスから先にトライを許したが、松島の連続トライで逆転。後半もラブスカフニのトライで加点し、同28分には松島が日本代表としてW杯初のハットトリックを達成して快勝した。

 ▽ラグビーW杯 第1回は1987年のニュージーランドとオーストラリア共同開催。ニュージーランドが優勝した。過去優勝したのは南アフリカ(95、07、19年)、ニュージーランド(87、11、15年)、オーストラリア(91、99年)、イングランド(03年)の4チームのみ。日本は第1回から参加。前回の19年日本大会はアジア初開催だった。

 ▽大会方式 1次リーグは20チームが4組に分かれて各組上位2チームが準々決勝に進出する。勝ち点は勝利で4、引き分けで2、7点差以内の負けで1、勝敗にかかわらずトライ数4以上で1。決勝トーナメントで同点の場合は前後半10分ずつの延長を行い、それでも決着がつかない場合はサドンデス方式で最大10分の延長、最後はキック戦で勝者を決める。

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