【ラグビーW杯】大畑大介氏 難しい初戦の司令塔を託されたSO松田がキーマン 日本大会の悔しさぶつけろ

2023年09月10日 06:45

ラグビー

【ラグビーW杯】大畑大介氏 難しい初戦の司令塔を託されたSO松田がキーマン 日本大会の悔しさぶつけろ
大畑大介氏がキーマンに挙げたSO松田力也 Photo By スポニチ
 【大畑大介氏 レジェンド展望】テストマッチのトライ数世界記録保持者で、日本人2人目のワールドラグビー殿堂入りを果たした大畑大介氏(47)が「レジェンド展望」でチリ戦の見どころを語った。難しい初戦で司令塔を任されたSO松田力也(29=埼玉)に着目。先発が一度もなかった前回日本大会後、23年大会の主役になることを誓った心意気とゲームメークに期待を寄せた。(取材・構成 吉仲 博幸)
 W杯はどこの国もギアが一段上がる。私も初出場だった99年大会は浮足立ち、面食らった。大会初戦はなおさらだ。独特の難しさと空気感がある。前回は自国開催だったが、今回は世間的に勝って当たり前と思われている中で迎える試合。相手は初出場のチリだが、日本にとってはチャレンジされる側で、こういう時こそ経験値が生きてくる。W杯経験者を多く配した布陣でうまく滑り出したい。

 チリはFWでごりごりくるフィジカルが強いチームで、ウルグアイに近い印象を受ける。米大陸第2代表プレーオフで米国を破ったように、全く侮れない。開始10分は全力でぶつかってくるだろう。ここで“W杯は違うな”、“日本は強いな”と思わせるようなスタートダッシュを決めたい。

 開幕戦のフランス―ニュージーランド戦を見て分かるように、現地はやや気温が高く、暑そうだ。夜の試合でも芝生はスリッピーで、ハンドリングエラーが目立った。日本の試合は現地時間の午後1時キックオフ。さらにスリッピーな状況も考えられる。エリアを取るのか、ボールを動かすのか。ハーフ団、とりわけ、SO松田の出来とマネジメント能力が勝敗を左右しそうだ。

 松田は19年大会で一度も先発がなかった。その松田が大会後に話してくれた言葉が忘れられない。「俺が23年の主役になります」。4年間ため込んだ、その心意気をぶつけてほしい。松田の持ち味の一つがキックの精度。コンディションも上がっているようで、経験値も高い。敵陣で戦いながらチャンスできっちり得点を重ねていくうえでもゴールキックやPGが持つ意味は大きい。

 バックスリーは松島とマシレワのポジションを入れ替えた。FBに入るマシレワはハイボールに強く、処理がうまい。松島はマシレワよりディフェンスが良く、外側でボールを持った時に必ずフィニッシュまで持っていける選手だ。ナイカブラを含めた3人でプレーした試合が多く、問題ないだろう。さらに攻撃的なメンバーにするなら後半途中からレメキをSOで起用する手もある。SH以外全てのポジションがこなせるレメキの存在は大きい。 (元日本代表WTB)

 ◇大畑 大介(おおはた・だいすけ)1975年(昭50)11月11日生まれ、大阪市東淀川区出身の47歳。小3からラグビーを始め、東海大仰星、京産大を経て98年に神戸製鋼(現リーグワン神戸)入社。02年12月にフランス1部リーグへ移籍。03年に神鋼に復帰し、トップリーグ初代王者へ導く。W杯は99、03年大会に出場。テストマッチ通算69トライは世界記録。日本代表キャップ58。16年ワールドラグビー殿堂入り。現在は神戸アンバサダー。

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