【ラグビーW杯】キック射程圏の広いアルゼンチン 中盤でのペナルティーを減らすことが日本の勝利の鍵に

2023年10月01日 07:00

ラグビー

【ラグビーW杯】キック射程圏の広いアルゼンチン 中盤でのペナルティーを減らすことが日本の勝利の鍵に
アルゼンチンのメインキッカーを務めるエミリアノ・ボフェリ(AP) Photo By AP
 【ラグビーW杯フランス大会1次リーグD組   アルゼンチン59―5チリ ( 2023年9月30日    ナント )】 世界ランキング9位のアルゼンチンが、同22位のチリから計8トライを奪い59―5で快勝。2勝1敗、総勝ち点9で日本と並んだが、総得失点差で上回って2位に浮上した。
 各組上位2カ国が進む決勝トーナメント争いは、イングランドの1位突破が決定済み。日本とアルゼンチンは8日の最終戦で直接対決を控えており、勝った方が文句なしに突破する、分かりやすい構図となった。

 1次リーグは総勝ち点で順位を争うため、4トライ以上、もしくは7点差以内の敗戦で与えられるボーナスポイントが順位決定の重要な要素となっている。しかし日本とアルゼンチンの直接対決は、1点でも上回って勝利すれば、決勝トーナメント進出が決定。そのため、負けたら終わりの決勝トーナメント同様、躊躇なくショットを狙う試合展開になることが予想される。

 日本は3試合連続で先発しているSO松田力也(埼玉)のキックが好調。ここまでコンバージョンとPGの計16本中15本に成功している。85%が一流の証とされる成功率は、94%を誇る。一方、サッカー大国でもあるアルゼンチンは伝統的に名キッカーを輩出しており、現在メインキッカーを務めるのWTBエミリアノ・ボフェリは、ここまで成功率88%(8分の7)をマーク。15年大会の得点王で、日本戦は控えに回るとみられるSOニコラス・サンチェスは100%(8分の8)を誇る。

 成功率では甲乙付けがたい両者だが、アルゼンチンにあって日本にないのが、ショットレンジの広さだ。日本は3試合で7本中7本のPGに成功しているが(全て松田)、全て敵陣10メートルライン以内のエリアから狙ったもの。一方のアルゼンチンはロングキッカーがそろい、ロングレンジからも積極的にショットを狙っている。

 過去3試合では敵陣10メートルラインからハーフウェーラインの間で2本、自陣から3本のショットを狙っている。前者は2分の2、後者は3分の1と成功率が抜群に高いわけではないが、失敗した2本のキックも飛距離は十分で、精度が高まれば日本にとっては大きな脅威となる。

 初戦のイングランド戦では正司令塔のSOサンティアゴ・カレーラスがハーフウェーラインの自陣側からドロップゴールを試みており、外れたものの飛距離は十分だった。DGも日本代表にはない武器の一つ。8日の直接対決では、敵陣10メートルラインから自陣側でのペナルティーを極力減らすことが、勝利の鍵を握ることになりそうだ。

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