【ラグビーW杯】サモア戦で見えた8日アルゼンチン戦必勝条件 安定したスクラムとパス、斎藤が生む勢い

2023年10月01日 04:45

ラグビー

【ラグビーW杯】サモア戦で見えた8日アルゼンチン戦必勝条件 安定したスクラムとパス、斎藤が生む勢い
笑顔でストレッチをする斎藤(撮影・篠原 岳夫) Photo By スポニチ
 【ラグビーW杯1次リーグ 】 【ジョセフHC“参謀”堀川隆延 深掘り】日本代表は30日、ベースキャンプ地のトゥールーズで1次リーグ最終戦となる8日のアルゼンチン戦(ナント)に向けて練習を再開した。2勝目を挙げ、2大会連続の決勝トーナメント進出へ前進した9月28日のサモア戦について、静岡ブルーレヴズの堀川隆延アシスタントコーチ(50)が分析。勝因となったスクラムと急きょ先発したSH斎藤直人(26=東京SG)が、アルゼンチン戦でも勝敗の鍵を握ると指摘した。
 安定したスクラムを起点に2トライ。劣勢だった7月の対戦から修正したことが勝因だ。重さを生かしたいサモアは距離を取って組みたいが、日本は自分たちの土俵に引き込みたい。その駆け引きを制し、8人が低く一枚の板のようになった日本は、ヒット後もしっかり足をかけていた。

 トライにつながった2つだけではなく、前半21分には自陣ゴール前のスクラムで守り切っており、これも試合を支配できた要因。聞けば7月の対戦では、長谷川コーチがハーフタイムに具の胸ぐらをつかんで叱ったという。過去の対戦に学んで戦略を立て、それを遂行したコーチ、選手ともに敬意を表したい。

 キッキングゲームでも戦略通り遂行できた結果が数字にも表れている。日本はキック1本に対するラックの数(割合)が2.5回。一方のサモアは6.6回だった。この数字は常に追いかける展開だったサモアは得点が必要で、効率良くエリアを取るためのキックが使えず、無駄攻めして疲弊したことを意味する。サモアも7月は2.9回。今回は日本の意図通りに攻め疲れさせられたことになる。

 急きょ先発した斎藤は、18年春に代表予備軍のヘッドコーチを務めた際に指導した選手で、長所は球さばきの速さ。パスを出し、ラインブレーク後のラックへ2、3人目には入って球をさばけるから、モメンタム(勢い)を生み出せる。もちろん課題もたくさんある選手だが、その能力は世界一と言っていい。

 サモアよりも力のあるアルゼンチンに勝つ絶対条件は、スクラムで優位に立ち、安定したボールをバックスに供給すること。そして斎藤がつくり出すモメンタムがあれば、アウトサイドでトライのチャンスが生まれる。流の状態は心配ながら、テンポとスピードのある攻撃で相手を翻弄(ほんろう)したい。

 サモア戦で1人少ない相手にラスト20分間は勢いを与えてしまった点は、修正が必要になる。ラインディフェンスの隙を突かれ、オフロードパスでつながれてしまったこと、ラックサイドをピック&ゴーでゲインされたことが原因。アルゼンチンも15人一体で攻撃を仕掛け、オフロードを効果的に使ってくる。ラインスピードと、ダブルタックルにおける2人目のボールを殺す判断が重要になる。

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