【ラグビーW杯】リーチ35歳の誓い 10・8新たな歴史を アルゼンチンに勝てば海外大会初8強

2023年10月08日 04:40

ラグビー

【ラグビーW杯】リーチ35歳の誓い 10・8新たな歴史を アルゼンチンに勝てば海外大会初8強
パスを投げるリーチ(撮影・篠原岳夫) Photo By スポニチ
 リーチが10・8に歴史をつくる。日本代表は8日にナントで1次リーグ最終戦となるアルゼンチン戦に臨む。フランカーのリーチ・マイケル(BL東京)は35歳の誕生日を迎えた7日、ナント郊外で最終調整した。前回大会後に計6カ所を手術しながら、今大会ではタックル回数でチームトップを記録するなど、不死鳥のようによみがえった大黒柱。伝統的にFWが強いロス・プーマス(アルゼンチンの愛称)とのガチンコ勝負を制し、2大会連続、海外大会では初の8強へと導く。
 リーチがアルゼンチンとの大一番を日本ラグビー界のターニングポイントに定めた。35歳初の試合は、勝てば2大会連続、海外大会では初の8強入りだ。「海外でベスト8のチャンスをものにすることは新しい歴史になる。楽しみにしている」。報道陣に公開された冒頭15分の全体練習で軽快に動いた後の会見で、決意を示した。

 年齢を感じさせない絶好調ぶりは、数字が物語っている。今大会はここまで全3試合に先発し、タックル回数はチームトップとなる49回を記録。初戦から2戦連続80分間フル出場し、第3戦のサモア戦も後半35分まで暴れ回った。防御だけでなく、積極的なボールキャリーと力強い突進で計2トライを奪っており、文字通りフル回転。アルゼンチン戦に向けては「25回くらいタックルできるように頑張る」と具体的な数字を口にした。

 好調の要因は向上心による試行錯誤だ。今大会に向けた肉体改造を目指し、昨秋は体重110キロから3キロ増量を試みた。だが、体の切れが出せず、すぐさま方針変更。食事調整しながら112キロをキープしたことで「シャープさもあって、良かった」とベストを探ってきた。

 今回で4大会で連続出場となる男は、大舞台で酸いも甘いもかみ分けてきた。主将として15年大会の南アフリカ撃破や、前回大会での8強進出に貢献した一方、屈辱を味わったのは初出場した11年大会だ。主力を温存した開催国ニュージーランドに計13トライを奪われ、7―83で大敗。「日本ラグビーの強さはこんなもんじゃない。もっとできる。もっと強く戦える」。日本をラグビー大国に押し上げると胸に刻んでいた。

 20年に計6カ所も手術をし、引退も考えたほど苦悩したのはもう過去の話。「仕掛けないと負けることは分かっている。やられる前にやるしかない」。日本ラグビー界の旗頭が、歴史的一ページを刻む。

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