関田 復調のきっかけは「藤井さんの存在」31歳で急逝した先輩セッターへ感謝の思い

2023年10月08日 04:43

バレーボール

関田 復調のきっかけは「藤井さんの存在」31歳で急逝した先輩セッターへ感謝の思い
<日本・スロベニア>藤井直伸さんのユニホームを手にする高橋健(右)と関田(撮影・小海途 良幹) Photo By スポニチ
 【バレーボール パリ五輪予選   日本3-0スロベニア ( 2023年10月7日    東京・国立代々木競技場 )】 ベンチには、15人目の選手がいた。今年3月に胃がんのため31歳で急逝した東京五輪代表のセッター・藤井直伸さんだ。五輪切符を決めると、先輩の思いを背負った関田は涙が止まらない。東レや代表でコンビを組んだ高橋健はスタッフが用意した背番号3のユニホームを持ち、誇らしげに天に突き上げた。
 関田は言う。「この大会は特に藤井さんの存在が大きかった」。エジプト戦で敗れて涙した夜、藤井さんを特集するテレビ番組を見て「救われた。また頑張ろうと思えた」。第2セット、1メートル75の司令塔は大柄な相手にブロックを決めた。第3セットもサービスエースをマーク。試合後、背番号3のユニホームに袖を通した。「藤井さんがいたかった場所に自分も立って精いっぱい頑張ろうと思った。支えてくれてありがとう」。感謝の思いがこみ上げた。

 大会途中から先発に抜てきされ、ブロックで体を張り続けた高橋健は「僕は藤井さんの夢を担いでここにいる」と胸を張る。苦しい時に鼓舞してくれ続けた先輩が「だから言っただろう」とねぎらってくれた気がした。次は、藤井さんが焦がれたパリのコートへ――。「今後も彼と一緒に良い景色を見たい」と高橋健。龍神NIPPONの物語は続く。

 ≪“縁の下の小野寺”が日本最多3ブロック≫勝利を縁の下で支えたのがミドルブロッカーの小野寺だった。主力として体を張り続けた2メートルは、チーム最多3ブロックと高さを誇示。トスを上げる場面もあり「自分でもビックリ」と振り返った。日本の泣きどころでもあったミドル陣は、高さで及ばなくても空中で相手にはじき飛ばされない堅固な壁に進化。トルコ戦もセルビア戦もより長身の相手にブロック得点で上回り、この試合もスロベニアの2点に対して日本は9点も挙げた。窮地を救った小野寺は、「世界一のミドルになる」と決意を新たにしていた。

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