【ラグビーW杯】大畑大介氏 抜てきフィフィタ、相手キーマン止めろ アルゼンチンにストレスを

2023年10月08日 04:39

ラグビー

【ラグビーW杯】大畑大介氏 抜てきフィフィタ、相手キーマン止めろ アルゼンチンにストレスを
ミニゲームでボールを競り合うフィフィタ(左)(撮影・篠原岳夫) Photo By スポニチ
 【日本かく戦え大畑大介レジェンド展望】テストマッチのトライ数世界記録保持者で、日本人2人目のワールドラグビー殿堂入りを果たした大畑大介氏(47)が試合の見どころを語る「レジェンド展望」。ともに2勝1敗の勝ち点9で迎えるアルゼンチンとの一戦は、最後列のWTB、FBの「バックスリー」に着目した。
 アルゼンチンのFWはフィジカルが強く、バックスは展開力もある世界トップレベルのチームだ。前に出ると、手がつけられないほど勢いが出る。ポイントは規律。80分間、我慢強く守って彼らの規律を乱すようなプレーをし、ストレスを与え続けること。打ち合いなら分が悪い。粘り強い守備でロースコアの展開に持ち込むのが勝利の絶対条件だ。追いかける展開では厳しい。サモア戦のように先制点を奪いたい。
 最も警戒しなければならない選手が大型WTBボフェリだ。身長1メートル91、91キロ。キックは50メートル以上の飛距離が出る上、ランニングスキルも高く、得点力もある。キャッチングもうまく、長身を利したハイボールの処理にもたけた選手だ。SO、WTBで先発する2人のカレーラスもスピードは抜群。彼らを自由にさせると危険だ。

 ボフェリの対面になる、大会初先発のWTBフィフィタに注目している。元々CTBでもプレーしていたように、コンタクトプレーに強みを発揮するタイプで、前に出る力を期待しての抜てきだろう。フィジカルの強い相手にはフィジカルの強い選手をぶつける。首脳陣の狙いもそこだ。相手SOのキックでボフェリと競り合う場面も増えるだろう。まず、ボフェリをしっかりマークして彼の強みを消し去ること。フィフィタは決定的な走りもできるので、チームに勢いを生み出す走りにも期待したい。

 ロングキックや競り合いのキックも得意とするアルゼンチンだが、キック処理に関してはFBにレメキが控えているのが大きい。自ら仕掛けていくうまさと力強さもある。今大会まだトライのないWTB松島だが、当然マークはきつい。そんな中でもチャンスメークはできているし、献身的な防御も光る。リザーブにはFB山中が入った。左足のロングキックが持ち味で、彼もFWを前に出すキックがうまい。効果的なキックを絡め、バックスリーで積極的に仕掛けていきたい。

 日本がアルゼンチンに唯一勝利したのは四半世紀前の1998年。当時私も出場したが、99年のW杯メンバー入りを懸けた大事な試合だったと記憶している。ジェイミー・ジョセフHCにとっても16年の就任後、初采配の相手であり、日本代表の一員として99年のW杯でも戦った相手。勝者が準々決勝へ駒を進める今回の一戦は、何か因縁めいたものも感じる。(元日本代表WTB)

 ◇大畑 大介(おおはた・だいすけ)1975年(昭50)11月11日生まれ、大阪市東淀川区出身の47歳。小3からラグビーを始め、東海大仰星(現東海大大阪仰星)、京産大を経て98年に神戸製鋼(現神戸)入社。02年12月にフランス1部リーグへ移籍。03年に神鋼に復帰し、トップリーグ初代王者へ導く。W杯は99、03年大会に出場。テストマッチ通算69トライは世界記録。日本代表キャップ58。16年ワールドラグビー殿堂入り。現在は神戸アンバサダー。

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