【新弟子検査】高校総体3位の長谷川力響「下から上がっていきたい」異例の三段目付け出し資格放棄

2023年11月06日 16:32

相撲

【新弟子検査】高校総体3位の長谷川力響「下から上がっていきたい」異例の三段目付け出し資格放棄
九州場所の新弟子検査を受検した青森・五所川原農林高3年の長谷川力響(左)=撮影・前川 晋作 Photo By スポニチ
 大相撲九州場所(12日初日、福岡国際センター)の新弟子検査が6日、福岡市内で行われ、受検した3人全員が体格基準(身長1メートル67、体重67キロ以上)をクリアした。内臓検査の結果に問題がなければ九州場所初日に合格が発表され、3日目から行われる前相撲で初土俵を踏む。
 青森・五所川原農林高3年の長谷川力響(かおと、17)が安治川部屋から受検した。長谷川は今年8月の全国高校総体個人戦で3位に入った実績を持つ。9月末の理事会で付け出し制度が改定され、高校総体ベスト4以上には三段目最下位格付け出し資格が得られることに。その適用第1号となるはずだったが、自ら権利を放棄して前相撲からデビューすることを選択した。

 「三段目から入ってすぐに関取になれるかというと、どっちにしても自分の力をつけていかないとダメなので」と理由を説明。「前相撲(から入門)でも遅くないので、下から上がっていきたいです」と1からスタートしていくことを誓った。

 これまでには嘉風(現・中村親方)や常幸龍(元小結)、正代(現幕内)、北勝富士((現小結)らが学生横綱やアマチュア横綱を獲得しながら前相撲から取っているが、いずれも大学3年以下の時にタイトルを獲得して入門時には資格(取得日から1年以内)が失効していたケース。現時点で付け出し資格を有しながら行使しないのは、極めて異例のこととなった。

 長谷川が3位に入った全国高校総体は8月上旬に行われており、その時点では付け出し制度の改定は決まっておらず。「インターハイの前から入門したいと思っていた。1日でも早く入門したいと、11月で下から入ろうと思っていた」。思いも寄らない付け出し資格の取得を後から知ることとなったが、気持ちは揺るがず。当初の予定通り、一番下の地位から這い上がっていくことを見据えた。

 師匠の安治川親方(元関脇・安美錦)は同郷・青森出身の大先輩であり、長谷川の父は鰺ケ沢高相撲部で同親方の1年後輩にあたる。そのような縁もあり、長谷川は師匠を「小さい頃からテレビで見ていて、かっこいいなとずっと思っていた」という。昨年12月に安治川親方が独立して部屋を興す前から「憧れている親方の下に入門したい。親方の部屋なら絶対に強くなれると思って、自分の力を試してみたい」と心に決めていた。目標は「4年ぐらいで関取に」。1メートル83、131キロの大器は、出世を急がずにコツコツ番付を上げていくことを夢見た。

 ◇長谷川 力響(はせがわ・かおと)2005年(平17)11月25日生まれ、青森県つがる市出身の17歳。つがる旭富士ジュニア相撲クラブで小4から相撲を始め、五所川原農林高2年時に全国高校選抜大会団体戦優勝。3年時に全国高校金沢大会団体戦準優勝、全国高校総体個人戦3位、団体戦3位。1メートル83、131キロ。得意技は右四つ、寄り、吊り。木造高1年の妹・心響と木造中1年の弟・和響はともに相撲部に所属している。

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