【TOTOジャパンC】稲見萌寧 大会新22アンダーで米ツアー初V 約1年3カ月ぶり勝利に涙

2023年11月06日 04:30

ゴルフ

【TOTOジャパンC】稲見萌寧 大会新22アンダーで米ツアー初V 約1年3カ月ぶり勝利に涙
優勝トロフィーを手に笑顔を見せる稲見萌寧(撮影・会津 智海) Photo By スポニチ
 【女子ゴルフツアー TOTOジャパンクラシック最終日 ( 2023年11月5日    茨城県・太平洋クラブ美野里コース=6598ヤード、パー72 )】 1打差の3位から出た稲見萌寧(24=Rakuten)が4バーディー、1ボギーの69で回り、大会新記録となる通算22アンダーで逆転優勝した。今季初、ツアー通算13勝目。4度のスイング改造など、苦しみながらつかんだ昨年8月のニトリ・レディース以来、約1年3カ月ぶりの勝利だった。
これまで12度も経験がある優勝インタビューで言葉が出てこない。稲見は「ここで優勝できて良かった」と声を詰まらせ、涙を流した。やっとつかんだ1年3カ月ぶりの勝利は米ツアー初優勝。苦しんだからこそ、新たな扉が開いた。

 「今年は苦しい時期の方が多かったので。勝てないんじゃないかって気持ちもあった。新しい未来が開かれたのは凄く大きい」

 20~21年賞金女王が1打差を追って迎えた勝負の後半で強さを見せた。12番パー5で187ヤードの第2打をピンそば2メートルに運び、イーグル逃しのバーディーで単独首位に浮上。15番でスコアを落として一時首位に3人が並ぶ状況も「早く抜け出したい」とパー5の17番で2オンに成功。再びトップに立ち、通算20アンダー以上が5人のハイレベルな戦いを勝ち抜いた。

 武器のショット力を取り戻した。悩まされた腰痛防止も含め、進化を求めてオフにスイングを「大改造」。だが皮肉にも不調に陥る。自身初となる棄権を挟んで4戦連続の予選落ちを喫し、スイング改造は4度に及んだ。どん底。1日10時間の練習を重ねてプロになった練習の虫が「意味ないんじゃないか」と思うほどだった。

 でも負けなかった。6月に柳橋章徳コーチ(38)に師事して流れが変わる。クラブでサンドバッグを打ち込む練習を提案され、インパクトが安定し持ち球のフェードが復活した。状態を上げたスイングに、前週から5年ぶりに順手の握りにしたパットがかみ合う。「練習あるのみとやってきて、それが実って良かった」と実感がこもった。

 これまでの12勝とは違う、米ツアーの1勝目。この優勝でメンバーの資格を獲得した。これまで米挑戦の可能性を問われても、日本ツアーでの永久シードが目標と答えていた24歳は「フィフティーフィフティーでお願いします」と笑った。実りの秋につかんだ、特別な13勝目になった。

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