武井壮の熱い思いがレジェンドの心を動かした「芸能人がただ単に好きでお金を出しているわけではない」

2023年12月05日 04:50

ゴルフ

武井壮の熱い思いがレジェンドの心を動かした「芸能人がただ単に好きでお金を出しているわけではない」
ミニツアーに初参戦した中嶋常幸(左)と武井壮                               Photo By スポニチ
 AONとして一時代を築き、歴代3位のツアー通算48勝を挙げているゴルフ界のレジェンド、中嶋常幸(69=静ヒルズCC)が、若い選手の育成を目的に開催されているミニツアーに初参戦した。
 12月4日に茨城・取手国際GCで行われたFJツアーの「百獣の王カップ Presents by 武井壮&ゴルフパートナー」がその舞台。同大会はタレントの武井壮(50)がスポンサーとなり、賞金総額320万円、優勝賞金120万円で、134人の参加者を集めて行われた。

 中嶋は若い選手に交じって自分がプレーするのは場違いであることを承知の上で、大会の盛り上げに一役買った。

 「口だけの人はいっぱいいるけど、(武井は)お金も出している。自分が(ミニツアーの試合に)出ることで、彼らの応援に少しでもなればうれしい」

 中嶋が今回の出場を決めたのは、自らがパーソナリティーを務めるTBSのラジオ番組に武井をゲストに招き、意気投合としたことが理由だった。

 「話をしていても一緒にゴルフをやっていても彼は熱い。いいかげんなところがない。この大会も芸能人がただ単に、好きにお金を出して、みんなでわいわいやっているというのではない。本当に鍛錬の場、修練の場。そいう場所をつくっているというのが今日、伝わってきた」

 レジェンドの心を動かした“百獣の王”のゴルフへの熱い思いの原点は、20代にさかのぼる。当時、ゴルフ未経験ながら十種競技などで培った抜群の身体能力を見込まれ、ダンロップが主催したプロ育成の「アメリカンゴルフキャンプ」の選抜メンバーに選ばれた。米国アリゾナ州の施設で毎日パッティングやアプローチなどの練習を繰り返しツアープロを目指した。しかし「3年間チャレンジしたけど、うまくいかなった」

 その後、日本に戻ってタレントに転身。「百獣の王」のキャッチコピーで、30代から40代にかけてブレークした。だが、心の奥底には「ゴルフへの思い残しがあった」という。

 だからゴルフクラブを持つ時は、少しでもうまくなろうと真剣に取り組む。そして、年齢を重ねても、違う世界で成功しても消えなかった20代の“宿題”をやり遂げるために「プロとして1試合に出るまでは、ゴルフはやめない」と50代になってからのプロテスト合格を目標に掲げた。

 ちょうどその頃、アメリカンゴルフキャンプの同期生の市原建彦から、ミニツアーへの協力のオファーを受けた。

 市原は06年のアサヒ緑健よみうりでツアー優勝するなどツアープロとして活動していたが、第一線を退きツアー競技への出場機会が限られている若手のために、ミニツアーのFJツアーを21年に立ち上げた。同年は12試合を開催し、昨年は20試合を実施。

 市原の誘いに武井は「(プロになる自分の夢をかなえるには)ゴルフに関わっていくことが非常に大事だと思った。自分もスポーツで収入を得られない時期を過ごして、何とか人生を切り開いてきた。試合をつくることで、少しでも若い人たちの生活のプラスになってくれれば」と快諾し「百獣の王カップ」を開催することになった。

 もちろんお金を出すだけではなく、自らも若いプロと競い合い、切磋琢磨(せっさたくま)するのが大前提。

 将来はシニアツアーの出場資格を得て、中嶋と一緒にプレーすることが夢だ。今年7月には日本プロゴルフ協会のティーチングプロB級講習会の実技審査にも合格した。一歩ずつ夢に向かって進んでいる。

 そんな武井の思いに、中嶋は「(一緒に)やりたいね。(プロとしてシニアツアーに)早く上がっておいでと言いたいけどね。(タレントの)仕事もあるからね」とタレント活動との二刀流でプロを目指す大変さを気遣っていた。

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