阿部詩 五輪女王貫禄のV ゴールドゼッケン4試合オール一本勝ち

2023年12月04日 04:45

柔道

阿部詩 五輪女王貫禄のV  ゴールドゼッケン4試合オール一本勝ち
女子52キロ級決勝で一本勝ちしガッツポーズの阿部詩(左)(撮影・小海途 良幹) Photo By スポニチ
 【柔道グランドスラム東京大会最終日 ( 2023年12月3日    東京体育館 )】 男女計8階級が行われ、女子52キロ級で東京五輪金メダルの阿部詩(23=パーク24)が2年連続4度目の大会制覇を果たした。決勝ではプリシラ・ネト(32=フランス)に一本勝ち。すでに代表入りを決めている来年のパリ五輪へ弾みをつけた。兄で男子66キロ級の一二三(26=パーク24)も大会を制し、5月の世界選手権に続く兄妹優勝を達成した。
 五輪王者の証であるゴールドゼッケンを背負う者の責任を、畳の上で果たしてみせた。半年ぶりの実戦。コンディションも決して万全ではない中、詩は見事に4試合をオール一本勝ち。とりわけ決勝は開始59秒、本人も「初めて」という小内刈りで一本を奪う快勝劇。続いて決勝を迎える兄・一二三に、しっかりバトンを渡した。

 「ホッとした。こんなに応援されている中での試合が久しぶりだったので、凄く新鮮で、うれしかった」

 5月の世界選手権を5試合オール一本勝ちで制し、6月に最速でパリ五輪代表に内定。しかし8月には練習中に肋軟骨を痛め、担ぎ技の生命線とも言える体をひねる動作ができなくなった。1週間は寝たきり状態となり、その後の2カ月も全力の稽古はできず。「(柔道の)感覚が戻ってきたのは2週間前くらい」という急ピッチの調整でも、畳の上では五輪女王の意地を見せつけた。

 社会人1年目。日体大時代は大学の道場を中心に稽古していたが、現在は積極的に出稽古に出かける。その理由を「ずっと同じ場所だと慣れが出る。慣れで緊張感もなくなってくるので、試合と同じような緊張感を持ちながら稽古することを求めている」と説明する。19年11月のGS大阪大会決勝の敗戦後は、これで国際大会の個人戦では節目の40連勝。常に外部から刺激、新たな視点を得て、自分の成長に変えている。

 年が明ければ早くも五輪イヤー。辰(たつ)年の詩にとって、年女として迎える2度目の大舞台でもある。「柔道は少し強くなった年だった。24年へいいスタートが切れた」と視線を来夏に向けた。 

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