柔道・高山莉加 引退危機を救った“ミセス愛” 「背中を押された」 パリ内定一夜明け会見

2023年12月04日 20:23

柔道

柔道・高山莉加 引退危機を救った“ミセス愛” 「背中を押された」 パリ内定一夜明け会見
報道陣の質問に答える高山(撮影・島崎忠彦) Photo By スポニチ
 全日本柔道連盟は4日、東京都文京区内で前日3日に新たに24年パリ五輪代表に内定した3選手の会見を実施。女子78キロ級で初の五輪代表となった29歳の高山莉加(三井住友海上)は「諦めなければ道は開けることを証明できた。このチャンスを無駄にせず、しっかり準備をする。高山を代表にして良かったと言ってもらえるように、必ず金メダルを獲りたい」と抱負を語った。
 同階級は東京五輪金メダルの浜田尚里、16年リオデジャネイロ五輪代表の梅木真美との三つ巴で前日のグランドスラム(GS)東京大会を迎えた。浜田、梅木がメダルを逃す一方、高山は準決勝で敗れたものの、3位決定戦を制して銅メダル。朗報を受けたのは食事中だった午後9時以降で、女子日本代表の増地克之監督から電話で伝えられ、「内定したって言葉に全部の気を取られて、その後の言葉をあまり覚えていない」と本人にとってもサプライズだったことを明かした。

 高校卒業後に実業団強豪の三井住友海上に入社し、国内外の大会でコンスタントに結果を残してきたものの、これまで世界選手権には一度も出場したことがない。コロナ下だった20年には一時は出社も柔道もできず、「私はもう柔道を辞めた方がいいのかな。存在価値がない」と精神的に追い込まれたという。
 この時、救ってくれたのが音楽アプリで「気分が上がる曲」と検索したところ、たまたまかかったという「Mrs. Green Apple」(ミセスグリーンアップル)の楽曲「ソランジ」の一節。「“まだ消えちゃいないよ ちっちゃな希望を”という言葉があって、まだ私、全然希望は消えていないと思って、背中を押された」と前向きな気持ちに切り替わったという。

 その後は成績が上向くとともに、ミセスの大ファンに。所属の上野雅恵監督にも薦めたところ、監督もドはまりしたという。今では2人そろってファンクラブに入り、今年8月には連れだって2日連続でドームツアーへ。「(監督は)インナーカラーをしているんですけど、“推し”の色らしいです。ミセスに対する気持ちは熱い。やっぱり極める人は本当に極めると思った」と話し、現役時代には04年アテネ、08年北京と五輪2大会連続で金メダルを獲得した同監督の意外な一面を明かした。

 五輪代表を決めたGS東京大会の試合の合間も、ミセスの楽曲を聴いて気持ちを高めていた高山。「このチャンスを無駄にせず、8カ月間準備して、金メダルを獲ることが、私が果たさないといけない宿命」。パリで聴く凱歌も、もちろんミセスの楽曲にするつもりだ。

おすすめテーマ

2023年12月04日のニュース

特集

スポーツのランキング

【楽天】オススメアイテム