日大、アメフト部の継続に「責任持てない」 再発防止検討委が「廃部方針」固めた理由 一般学生にも影響

2023年12月04日 16:35

アメフト

日大、アメフト部の継続に「責任持てない」 再発防止検討委が「廃部方針」固めた理由 一般学生にも影響
会見を行う(左から)久保利英明・第三者委員会答申検討会議議長、林真理子・日本大学理事長、益子俊志・競技部の薬物事件に関する調査及び再発防止策検討委員会委員長 (撮影・西川祐介) Photo By スポニチ
 日大アメフト部を巡る違法薬物事件に関し、同大学の林真理子理事長らが4日午後4時から都内で記者会見を行った。同理事長がこの問題について会見を開くのは今年8月8日以来、118日ぶり。会見には、同大学スポーツ科学部競技スポーツ学科教授で、薬物事件に関する調査及び再発防止策検討委員会の益子俊志委員長も出席し、アメフト部の「廃部方針」を固めた理由について「大学として管理体制が補償できない。責任を持てないと判断した」と説明した。
 8月以降、違法薬物事件で3人の部員が逮捕され、さらに別の部員が書類送検された。同大学内の競技スポーツ運営委員会は11月28日に廃部の方針を決定。1日の理事会では廃部についての結論は出ず、継続審議になったと明らかにしていた。

 この日の会見で林理事長はアメフト部の廃部について「今後は理事会で継続審議していくことになる」と話すにとどめ、「競技スポーツ部を廃止した上で、日本大学競技スポーツセンターを新設することを検討し、競技部に対する大学の関わり方を見直す」とし、寮生活の監督体制の強化を図るとした。

 「廃部」について、一部の部員らは撤回を求めて署名を提出。他大学などのアメフト関係者からも反対の声が上がっており、オンラインでの署名活動も行われている。

 「廃部」の方針を固めた理由について、益子委員長は「11月24日、28日の2度、アメフト部の今後について話し合いをした」と、各学部長ら17人による委員会で2度に渡る話し合いの場を設けたと説明。委員会での調査の結果、「当初、単独犯罪という判断をされたが、決してそうではなく、集団的、常習的が疑われるという決断に至った」という。

 委員会は「大学として、アメフト部員だけでなく、学生の安全を担保しなければならない」と結論付けたといい、「大学として管理体制が補償できない。責任を持てない。アメフト部を継続することが、一般学生の安全が担保できないという決断に至った」と説明した。

 その上で、「これを機に、日大のスポーツを、学生スポーツとは何ぞや…ということを、改めて考え直さなければならない。学生スポーツの意味、価値をしっかりと考え、競技スポーツを変えていきたい」と、改革を改めて主張した。

 賛否さまざまな意見が上がった「廃部」については「簡単に廃部という案が出てきたわけではない」と断言。それでも、「新しい日大スポーツを、築かなればいけない」とし、「全ての学部長の総意だと考えております。ただスポーツをやっていればいいというわけではなく、学生生活管理をしていくことを含め、今後改革を進めていくということを検討していく」と呼びかけた。

 同大学がこの問題を巡り会見を開くのは、この日が2度目となる。8月8日の会見では、林真理子理事長、酒井健夫学長、沢田康広副学長が出席したが、アメフト部の指導陣は姿を見せなかった。

 日大アメフト部は18年に「悪質タックル」が社会問題化。違法薬物事件の影響で、関東大学リーグ1部上位の今季の全試合で出場停止となり、来季は1部下位への降格が決まっていた。

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