ソフト・柳田「信じられない数字」史上69人目の250号 プロ入り時は「1本も打てずにクビになると…」

2023年06月29日 05:00

野球

ソフト・柳田「信じられない数字」史上69人目の250号 プロ入り時は「1本も打てずにクビになると…」
<ソ・楽>ファンとタッチを交わす柳田(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   ソフトバンク3ー2楽天 ( 2023年6月28日    ペイペイD )】 ソフトバンクは28日の楽天戦で柳田悠岐外野手(34)が、1点を追う3回2死から、3試合連発となる今季12号ソロを放ち、プロ野球史上69人目の通算250本塁打を達成した。球宴ファン投票でパ・リーグ最多得票での選出へ御礼の一発となった。試合は同点の8回1死満塁で、代走として出ていた周東佑京内野手(27)が、暴投で捕手が前へはじいた隙を逃さず、三塁から執念のヘッドスライディングで勝ち越しの生還、3連敗を阻止した。
 バットを振り上げ、そのまま戻し、足をクロス。しばし固まった後に柳田は、確信歩きをスタートさせた。乗ってきた男は、やはり違う。3戦連発でメモリアルアーチを右翼席に放り込んだ。

 「いいスイングしよう。それだけ考えた。マグレですが(バットの)芯らへんでいい打球。気持ち良かった」

 0―1の3回2死。先発・荘司の初球カットボールを逃さなかった。25日オリックス戦では山崎福から10号2ラン、26日楽天戦では田中将から11号ソロ、そしてこの日は12号同点ソロ。20年8月21~23日ロッテ戦以来3年ぶり8度目の3戦連発は節目の一発にもなった。史上69人目となる通算250号本塁打。一塁側ベンチ前で高々と記念ボードを掲げた男は、回顧した。 

 「プロに入ったときは1本も打てずにクビになると思った。めっちゃ素振りやら練習しました。信じられない数字です」

 1号は大卒2年目の12年8月5日西武戦。ヤフードームで、右翼席への2ランだった。そして11年後、プロ13年目にして250発に到達。前日27日には昨季まで同僚だった松田(巨人)から激励の連絡をもらいそれにも応えてみせた。2試合連続でアーチは空砲となっていただけに「勝ちゲームになったのはうれしいし、これからまだまだ打ちたい」と通過点を強調する。

 柳田が入団した11年と同年に指導者デビューしたのが藤本監督。「いい状態やないかな」とさらりと称えつつも、愛弟子に期待込みのいじりも付け加えた。「100本目も含めて見ているしね。いつ抜くんかと思ったけど、サイクル安打も、本塁打も全部抜かれた。すごい、バッターやわ」。不動の4番への信頼度は高い。

 チームも連敗を2で止めて、貯金を2桁「10」に戻した。柳田は過去4戦連発が自己最長。達成ならば16年8月25日楽天~同28日ロッテ戦に記録して以来7年ぶりの達成となるが、入れ込むことなく冷静に構える。「いやいや、そんな甘くない。(本塁打)打つのめちゃめちゃ難しいので。次の1本に向けて、練習から頑張ります」。主将の大きな背中を全員が見ている。大きいことは狙わず、手堅くチームのために目の前の1勝を求めていく。(井上 満夫)

 ○…柳田(ソ)が楽天戦の3回に荘司から今季12号を放ち、通算250本塁打を達成。プロ野球69人目。初本塁打は12年8月5日の西武戦で松永から。球団では南海・野村克也を筆頭に6人目。

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