「目で殺されなかった」DeNA・関根が、虎相手に3年越しの「リベンジ」三盗!

2023年06月29日 07:15

野球

「目で殺されなかった」DeNA・関根が、虎相手に3年越しの「リベンジ」三盗!
24日の阪神戦。初回1死二塁、関根は三盗を決める。三塁手は渡辺諒(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 記者は超満員の3万3190人がどよめいた瞬間、「あのときと逆だ!」と2年前の記憶がよみがえった。
 24日の阪神戦。初回1死二塁で、二塁走者の関根が、先発の伊藤将に対し三盗を仕掛けた。捕手・梅野が送球できず、楽々のセーフ。直後に佐野が前進守備の間を抜く決勝の中前打を放ち、足攻が生きた。これで、横浜スタジアムでの対阪神は12連勝となった。

 時を戻そう。21年4月11日、本拠地での阪神戦。先発は高卒4年目の阪口だった。初回、先頭打者の近本、続く糸原と右前に運ばれ無死一、二塁とされた。次打者はマルテ。そこで6球目に重盗を決められた。2失点につながり、結局、2―3で敗れた。三浦監督の就任初年度で15試合目。対阪神3連敗となり、3勝10敗2分けの借金7となった。この3連戦でDeNAが阪神に許した盗塁は7だったのに対し、DeNAはなし。同年は借金19で最下位に沈んだ。

 二塁走者の近本は、阪口がセットポジションに入ると1度だけ二塁を確認し、その後、振り向かず投球したスキを突いた。投球動作に入る前に、三塁に走り出していた。

 今回の関根も同じ。伊藤将は一度、二塁を見て打者に集中した。関根も投球動作に入る前に走った。記者は、投手が走者を目視して「目で殺す」作業を怠ったことで、三盗を仕掛けた関根が、2年前の近本とダブった。

 DeNAの今季盗塁は28日終了時点で15。リーグトップの阪神の38に23差のワースト。だが、3連勝した25日までの3連戦。阪神の盗塁は0だったのに対し、DeNAは2だった。

 記者は、佐野がお立ち台で「関根の三盗で凄い気楽に打てた」と発したときに、22年のシーズン前に石井琢朗野手総合コーチ(当時、現チーフ打撃)から聞いた話を思い出した。「盗塁数より、走ることが必要な場面で走ることが大事」。関根の三盗は、まさにその場面だ。

 キラリと光った三盗にチームの躍動を感じた。同じ横浜スタジアムで遂げた3年越しの「リベンジ」三盗。記者が勝手に名付けたその「仕掛け」が、今季を振り返ったときにビッグプレーの一つになっているような気がする。(記者コラム・大木穂高)

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