広島・森下 痛っ…右太腿に打球直撃も「大丈夫」 アドレナリン全開120球熱投で1カ月ぶり7勝目

2023年08月20日 05:02

野球

広島・森下 痛っ…右太腿に打球直撃も「大丈夫」 アドレナリン全開120球熱投で1カ月ぶり7勝目
<広・巨>5回1死二塁、野間の適時打で生還した森下はナインに迎えられる (撮影・奥 調) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島6-3巨人 ( 2023年8月19日    マツダ )】 広島・森下暢仁投手(25)が19日の巨人戦で約1カ月ぶりの7勝目を手にした。岡本和のライナーが右太腿を直撃する奇禍にも動じず、8回を7安打3失点の粘投。登録抹消の矢崎に代わって守護神に復帰した栗林良吏投手(27)が9回を締め、新人から3年連続となる2桁10セーブ目を挙げた。試合は6―3で逃げ切り、19年以来4年ぶりとなる巨人戦のシーズン勝ち越しを決めた。
 力を振り絞って到達した8回。岡本和に被弾したところで、粘って7個のゼロを並べた価値は色あせない。8回120球を投げ、7安打3失点。7月22日の中日戦以来となる7勝目に、森下は末包と並んだお立ち台で充実感をにじませた。

 「投手陣が苦しい状況なので、1人で投げたいと思ってマウンドに上がった。(9回を)栗林さんが抑えてくれてよかったです」

 16日の阪神戦以来、今季2度目の一塁・坂倉先発。絶対に勝つ…起用に込めた指揮官のメッセージを、森下は理解していた。初回2死一、三塁で大城卓を外のカットボールで遊飛に仕留めると、3回2死満塁でも丸を内カットで右飛に斬った。

 奇禍はあった。序盤の危機を丁寧な投球で切り抜け、軽快に凡打の山を築いていた中盤6回。先頭・岡本和のライナーが右太腿を直撃する。「少し詰まっていたので。今は全然大丈夫」。アドレナリンの効能。勝利への執念が痛みを消した。

 22歳の投球が清涼剤だった。7月29日の阪神戦で右手中指のマメが痛み、6回途中で無念の降板。翌30日には登録抹消を余儀なくされた。その時点で首位とは1ゲーム差。アクシデントとはいえ、戦列を離れる影響は痛いほど分かっている。

 「悔しかったけど、助かったのは代わりに投げたタマ(玉村)が勝ってくれたこと。そこは本当によかった」

 5日の巨人戦に代役として先発した玉村は7回2失点と好投。今季2勝目を挙げた左腕の姿が再び前を向く力になり、戦線離脱による悔しさのエネルギーをバネに変えた。

 「特に理由はないですけど、今年はあの色を使いたいなと思って(メーカーに)お願いしていたので」

 エメラルドのような色合いのグラブを初めて実戦で使い、勝利に結びつけた。防御率と勝利数でリーグトップを走る床田のそれと似ているのは偶然か。新井監督は「巨人の強力打線を相手に素晴らしい投球だった」と賛辞を惜しまなかった。(江尾 卓也)

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