阪神 歴史的“暖冬”の増額ラッシュ 日本人60選手保留者ゼロ 結果出せば「当たり前」

2023年12月22日 05:15

野球

阪神 歴史的“暖冬”の増額ラッシュ 日本人60選手保留者ゼロ 結果出せば「当たり前」
38年ぶり日本一を達成して胴上げされる岡田監督 Photo By スポニチ
 阪神は21日、兵庫県西宮市内の球団事務所で青柳晃洋投手(30)、湯浅京己投手(24)の2選手と契約を更改し、来季所属する全選手との契約交渉を保留者なしで終えた。18年ぶりのリーグ制覇と38年ぶりの日本一を高く評価し、球団は大盤振る舞い。日本人選手の増減額の合計は、今季から約8億2000万円の増額(金額は推定)になった。
 寒波が押し寄せている日本列島でも、アレを達成した猛虎戦士の懐は温かい。阪神の契約更改は増額ラッシュだ。日本人60選手の増減額を合計すると、今季から8億2440万円のアップ。球団の嶌村聡本部長が兵庫県西宮市の球団事務所で選手との交渉を総括した。

 「当然、結果を出せば上がるんですよ、ということ。そこに優勝も絡んでいる、ということでもある。当たり前の話。当たり前のことを当たり前のようにやっただけです」

 球団は正当に評価した結果だと強調。盗塁王の近本が1億5000万円増の3億2000万円、最高出塁率のタイトルを獲得した大山が1億5000万円増の2億8000万円でサインした。1億円プレーヤーは新たに3人(佐藤輝、伊藤将、中野)誕生し、合計10人になった。

 昨年より成績が下がった選手も、V査定の恩恵を受けた形だ。開幕守護神の湯浅は、現状維持の4700万円でこの日、判を押した。右肘痛、左脇腹の筋挫傷など相次ぐ故障で登板は15試合止まり。日本シリーズは査定に含まれないため、「湯浅の1球」などの活躍はノーカウントながら、減俸を避けられた。嶌村本部長は「総合的な判断。期待料というよりも、総合的に1年間を見た上で」と説明した。

 年俸がアップしたのは60選手中、29人。一方、1軍出場者の減俸は、この日3000万円減の2億1000万円で更改した青柳のほか、秋山、糸原、渡辺諒、浜地と計5人にとどまった。あたかも高給取り集団になったように映るが、阪神の場合、補強に頼っていないのが特徴で、FA加入は西勇しかいない。歴史的な暖冬更改は、ドラフトと育成戦略が奏功した結果だった。(倉世古 洋平)

 ○…今オフに阪神で契約更改を済ませた日本人選手60人(現役ドラフトで巨人へ移籍の馬場を含む)の年俸は今季より8億2440万円の増額だった。内訳は近本と大山の1億5000万円アップを筆頭に、約半分の29人が増額。19人が増減なし。12人が減額だった。

 ○…来季阪神の日本人選手68人(育成選手を含む)の年俸総額は32億6450万円で、今季の日本人選手68人の総額25億3915万円から7億2535万円の増額になる(金額は本紙推定)。これを日本プロ野球選手会が1980年以降発表している日本人支配下選手の年俸調査に照らし合わせると、アップ額は22→23年の6億6400万円を上回る球団史上最高になる。なお前出の更改増額分と、年俸総額の増額分に約1億円の差が出るのは、更改増額分に新人・移籍加入選手と退団選手による増減が含まれていないため。

 ○…青柳が2億1000万円で更改し、来季阪神の日本人選手で年俸1億円以上は10人で確定。阪神で年俸1億円以上が10人は、04年10人、09年11人以来15年ぶり3度目。

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