【ROOKIES　猛虎ファイル】ドラ2椎葉（3）　地道な取り組みで急激に球速アップ

2023年12月22日 05:15

野球

【ROOKIES　猛虎ファイル】ドラ2椎葉（3）　地道な取り組みで急激に球速アップ — 独立リーググランドチャンピオンシップ2023の富山戦で登板した椎葉 Photo By スポニチ

　阪神のドラフト2位・椎葉剛投手（21＝四国IL・徳島）をひと言で表現するなら、「無類の野球好き」だ。それは、少年野球を始める前から。野球を誰よりも愛し、強い意志で取り組み、成長し、自ら道を切り開いてきた。社会人、独立リーグを経て、プロのスタートラインに立った最速159キロ右腕。その歩みを追った。　（八木　勇磨）

　【社会人から独立リーグ】島原中央では、目指し続けた甲子園に出場することはかなわなかった。卒業後は社会人のミキハウスへ。高3の5月、そして最後の夏が終わった時期に練習参加し、投手としての素質が認められた。だが、故障もあり、満足な結果を残せずに、3年目の秋に」契約満了」で退部した。

　当然、一社員として会社に残る選択肢もあった。それでも剛はユニホームを着続けることを選び、ミキハウスを去った。「ラストチャンス」の覚悟で独立リーグの四国IL・徳島に入団。地道な筋力トレと走り込みで、最速159キロを叩き出すまでに飛躍を遂げた。阿波での奮投を、美貴子さんも現地で何度も見届けた。「投げ終わった後に“こんなに（気合の）声出すんや”ってビックリした。ここまで周囲を見返してやろう、という気持ちがあるとは思わなかった。だからこの1年、頑張れたんだと思う」と目を潤ませた。

　10月26日、ドラフト会議当日。2位での指名は当然、予想外だった。美貴子さんは「下位指名かな、と思っていたから、テレビも見ていなかった」と苦笑い。節目節目の出会いを大切にしてきた息子が、大きな夢を自らの手でつかみ取った。

　たった1年でガラリと自分の居場所を変えてみせた剛は、11日の阪神入団会見で「将来的には絶対的守護神になれるように頑張る」と高らかに宣言した。どこまでも野球を愛し続ける若き剛腕。今後は虎党に愛される存在を目指し、ただひたすら精進を続けていく。

　※ドラ2椎葉の稿は終わり