来季へ向けたルール変更 MLB競技委員会が採決 スリーフットレーンのルールなど改正

2023年12月22日 10:35

野球

来季へ向けたルール変更 MLB競技委員会が採決 スリーフットレーンのルールなど改正
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 11人のメンバーからなるMLBの競技委員会が21日(日本時間22日)、24年シーズンに向けたルール変更について採決を行った。
 変更が決まった主なルールは以下の通り。

 (1)スリーフットレーンのルール。

 従来のルールでは一塁ベースに向かって走っている走者が、スリーフットレーンの外側を走り、野手の捕球動作を妨げたと審判が判断した場合、走者は守備妨害でアウトになった。新ルールでは、走れるレーンの幅が広がった。スリーフットレーンはベースラインからファール側だが、ベースラインの内側、フェアグラウンドの芝生までの土の上での走行が可能。18インチ(約45・7センチ)から24インチ(約61センチ)広がることになる。

 これによって恩恵を受けるのは右打者。従来のルールを順守すれば一塁に向け直線的に走れなかったが、これでまっすぐに走れる。

 (2)走者がいる時のピッチクロックを23年の20秒から18秒へと短くすること。
 
 今季、走者がいる時の20秒クロックでは投手は平均で残り7・3秒から投球動作を開始していた。短くできる余裕があった。

 (3)監督やコーチが試合中にマウンドに行く回数を5度から4度に減らすこと。

 23年、マウンドに行った回数は平均で2・3度。4度を超えたのは開催試合の2%に過ぎなかった。ただ守備側が8イニング目が終わった時点で4度の機会を全て使い切っていた場合は、9イニング目にエキストラに機会を与える。

 (4)リリーフ投手は少なくとも3人の打者相手に投げるか、イニング終了とならない限り交代できないというルールが既に存在するが、これに加え、回の間にマウンドに上がりウォーミングアップをしたリリーフ投手は最低でも一人の打者に投げないといけないというもの。

 今季、回の間にウォーミングアップをしながら、イニングが始まると投げずに交代したケースが24度もあった。ワールドシリーズでも2度起きている。MLBの競技委員会の11人のうち4人は選手だが、選手たちは全員採決では反対に回った。選手組合のトニー・クラーク専務理事は声明文で「我々は今季大きなルール変更をしたばかりで、引き続きすぐに変更をする必要はない。ファン、選手、ゲームの利益にはならない。23年の変更が選手の健康状態、安全性などにどう影響するか、データを取ってさらに吟味する必要があり、我々はそこに焦点を絞っている」と説明した。

 しかし、可決には過半数の賛成があればよく、変更が決まった。一方で検討されたが、さらなる話し合いが必要と棚上げされたのは以下の2つの提案。一つは内野手もベースを足でブロックしてはいけないというもの。捕手は本塁でそれが許されないが、安全のため内野手も同じであるべきという。もう一つは投手は走者がいる時は常にセットポジションから投げるというもの。特に2死三塁のケースでは、現状ワインドアップで投げたい投手は少なくない。

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