広島・九里 11年目で初の開幕投手「100%出し切れるようにいい準備をしたい」

2024年02月17日 05:00

野球

広島・九里 11年目で初の開幕投手「100%出し切れるようにいい準備をしたい」
キャッチボールで調整をする広島・九里(撮影・平嶋 理子) Photo By スポニチ
 広島・九里亜蓮投手(32)が3月29日のDeNA戦(横浜)で開幕投手を務めることが16日、決まった。新井貴浩監督(47)が本人に伝え、報道陣に「開幕は亜蓮で」と明言した。人一倍の向上心を持って取り組む姿勢や状態の良さなどが評価され、11年目で初の大役指名。右腕は「持っているものを100%出し切れるように準備したい」と言葉に力を込めた。 
 肌寒く曇り空だった沖縄2次キャンプ第1クール2日目。全体練習を終え、報道陣の囲み取材に応じた新井監督は「開幕は(九里)亜蓮で」と打ち明け、初の大役に指名した理由を説明した。

 「亜蓮は(大瀬良)大地と同期入団で、ずっと争ってここまで成長してきた。(開幕投手は)ここ数年の目標だったと思うし、投げたい気持ちも感じるので、本日“任せたぞ”と伝えました」

 昨季は登板26試合で8勝8敗ながら、12球団トップの174回1/3を投げ、キャリアハイの防御率2・53をマーク。より高みを目指して米国の最先端トレーニング施設でフォーム改造するなど、30歳を超えてなお意識高く取り組む姿勢や、「去年のこの時期よりはるかに状態が良い」(同監督)という仕上がりなどを高く評価した。

 九里が初めて開幕投手に名乗りを上げたのは、20年12月4日にあった契約更改の席。以来、「特別なマウンド。先発でやらせてもらう以上は目指したい」と言い続けてきた。晴れて手にした11年目で初の大役。発した言葉には気合がにじむ。

 「“開幕投手は亜蓮で行くので任せたぞ”と言っていただいた。選ばれたからには持っているものを100%出し切れるように、いい準備をしたい。開幕まで一日も無駄にすることなく、できることをやっていきたい」

 2月1日からブルペンに入り、沖縄2次キャンプ初日の15日には今春最多となる120球の投球練習。昨オフから新たに、踏み出す左足の歩幅を7足から狭めるフォーム改造に着手しており、試行錯誤の末に「いい感じで投げられているのは5足と3/4」と答えを導き出した。

 昨季まで5年連続で務めた右肘手術明けの大瀬良と床田、森下が候補だった開幕投手。新井監督は練習の合間に「今年は亜蓮で行くから」と個別に伝え、了解を求めた。

 大瀬良から同期入団の右腕に渡る大役のバトン。指揮官らしい深謀遠慮が見え隠れする中、意気に感じる32歳の努力家は必勝を期して3月29日、敵地・横浜スタジアムでのDeNA戦で気合満々に腕を振る。(江尾 卓也)

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