阪神・育成ドラ2の福島に“スペシャリスト”英才教育へ 岡田監督「代走、守備固めで使う」

2024年02月17日 05:15

野球

阪神・育成ドラ2の福島に“スペシャリスト”英才教育へ 岡田監督「代走、守備固めで使う」
ノックを受ける阪神・福島(撮影・須田 麻祐子) Photo By スポニチ
 虎の“切り札”に名乗りを上げる。阪神の育成ドラフト2位・福島圭音外野手(22=白鴎大)が第4クール初日の16日、1軍宜野座キャンプに合流した。開幕までの支配下登録を狙うルーキーは近本とともに中堅でノックを受け、フリー打撃も同組で行った。岡田監督は、17日の楽天戦(宜野座)から始まる対外試合で代走&守備固め中心の起用を示唆。スペシャリストとして英才教育を施され、チームに欠かせない存在へと飛躍する。
 目をギラギラと光らせ、福島は宜野座のグラウンドを駆け、バットを振った。その視線の先には常に、憧れの近本の姿があった。シートノックでは1歩目のスタート、フリー打撃なら打球の鋭さ…全てが生きた教材。気になったことは、率直に質問をぶつけた。「10個以上は(質問を)した。道具のことから話をさせてもらった」。50メートル走5秒8の快足だけではない。この貪欲さ、ハングリーさも持ち味だ。

 「自分は背番号が3桁。まだスタートラインに立っていないので、一日でも早く2桁になりたい」

 その熱心さには“師匠″の近本が「よく質問してくるなあ」と圧倒されるほど。支配下昇格への強い思いがあるからこそだ。中でも福島が衝撃を受けたのは、フリー打撃中の守備練習。中堅で飛球を追う近本の動きに目を奪われた。「落下地点への入り方が凄い。“こんなに無駄がないんだ″って。捕れなくても、最短距離で行く。そこにインパクトを受けた」。その姿をまねるようにして、懸命に打球を追った。

 それを見た近本からは「背走の時の走る姿勢がいい。ちゃんと走れる姿勢でボールを見られていて、凄くうまいなと思った」と高評価。3年連続ゴールデングラブ賞の名手の言葉には「まだまだ全然。細かいところを直さないと」と謙遜したものの、光るものを合流初日から見せつけた。

 12日の紅白戦で代走として初球に盗塁。中堅守備でもシートノックで非凡さを見せたことで、1軍昇格が決まった。この日、岡田監督は「戦力として面白い存在やからな。武器があるからな」と評し、改めて「7回以降、代走、守備固めで使う」と明言した。この方針を伝え聞いた22歳の目は鋭さを増した。

 「任された以上は、もう一発目からスタートを切ることが大事。目の色を変えてやる」

 ここ一番で起用され、勝敗を分けるプレーを託される存在になるために、対外試合で自分の持っている全てをぶつける。「(盗塁では)アウトになっても、どんどん挑戦していきたい」。近本と一緒に甲子園の舞台に立つためにも、背番号126が足を止めている暇はない。(松本 航亮)

 ◇福島 圭音(ふくしま・けいん)2001年(平13)10月6日生まれ、埼玉県出身の22歳。名前はアクション俳優のケイン・コスギに由来。小学3年時に秩父ドリームズで野球を始め遊撃手。秩父第一中では軟式野球部。聖望学園2年時に外野手転向。関甲新学生リーグの白鴎大では1年秋からリーグ戦に出場し、4年春にリーグ新記録のシーズン20盗塁。23年育成ドラフト2位で阪神入り。1メートル71、72キロ。右投げ左打ち。

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