ミスをしても「顔には出さない」阪神・小幡の心得

2024年03月14日 08:00

野球

ミスをしても「顔には出さない」阪神・小幡の心得
<ロ・神>8回、一ゴロに倒れた小幡(撮影・岸 良祐) Photo By スポニチ
 【オープン戦   阪神6―1ロッテ ( 2024年3月13日    ZOZOマリン )】 【畑野理之の談々畑】7回の守備から小幡竜平が遊撃に就いた。ゲームセットまで打球処理は一度もなく、8回2死一塁での打席は一ゴロ。攻守で目立ったシーンはなく、ただただ、普通にプレーしていただけなのに、背番号38の動きを目で追っていた。
 ここ数日、注目していた。少し大げさにいえば小幡の野球との向き合い方、プロとしてのあり方に興味を持つようになった。そう思ったのは、8日に甲子園で行われたヤクルト戦の後からだ。

 その試合では6回から遊撃を守り、5―0の8回、2死満塁で西田明央の遊ゴロを二塁へ悪送球。さらに同点からの北村恵吾のゴロをファンブルして逆転を許した。オープン戦とはいえ、2つの適時失策はまずい。ちょうどその試合から同じ内野手の高寺望夢が昇格しており、左前へ適時打も放っている。入れ替わって2軍降格の危機なのではないかとも思った。

 相当ヘコんでいるだろう、まさか涙を流しているのではとも勘ぐった。しかし多くの担当記者に囲まれているその表情をのぞき込んだが、淡々とひょうひょうと反省を述べていたのを見て、いい意味で驚いた。プロ6年目の23歳、メンタルは強く、こういう時もメソメソしないんだなって。

 「いえ強くないです。いつも試合に出る時は緊張で心臓はバクバクですよ。あの時も“どうしよう、やってしまった”って。でも以前ファームでエラーした時に、平野(恵一)コーチから“ミスしても普通にしとけ”って教えられて。それまで僕は顔にも出して、引きずっていたのですが、その一言を言われてからは顔には出さないようにしているんです」

 マウンドで集まった時に桐敷拓馬にぺこりと頭を下げている。ベンチに戻ってからも46球も投げさせてしまったことを謝ったという。ものすごく申し訳ないし、平然となんてできるわけはないが、グラウンドに立っている時、相手チームの前では弱いところを見せられない。プレーでしか、やり返せないと思っている。

 翌9日は試合前に特守を受けた。さらに10日も何球もノックを受けた。その後、いつも以上に、10分以上もトンボを手に取って遊撃エリアの土をきれいにならしていた。きっと何かを思い、何かを誓っての行動だったと思う。

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