【虎番リポート】阪神・岡田監督がナイター練習をした理由…一手先を読む知将のマネジメント術

2024年04月02日 05:15

野球

【虎番リポート】阪神・岡田監督がナイター練習をした理由…一手先を読む知将のマネジメント術
ナイター練習を終えて引き揚げる阪神・岡田監督(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 このタイミングでのナイター練習は、阪神・岡田監督にとって決まり事のようだ。今季初の屋外カードとなる5日ヤクルト戦(神宮)の開始と同じ午後6時に合わせて練習を始めた。LED照明のもとで守備練習。フライノックを、薄暮の時間帯と、完全に日が落ちてからの2度、入念にした。
 「(日程的に)やる時がないからのう」

 チームは昨年11月2日の日本シリーズ第5戦以降、5カ月も「屋外ナイター」から遠ざかる。目は昼型のまま。感覚を戻す必要がある。昨年は、4月3日にマツダスタジアムで夜空の白球を追い、翌日からのシーズン初屋外ナイターに備えた。

 細心の準備は現役時代の教訓からだ。85年(昭60)の最初の巨人戦で遊撃後方の飛球を巨人・河埜が落球。二塁走者だった岡田監督は長駆生還した。「前の日に巨人が練習できなかったからな」。その前日は雨で、巨人は室内練習を強いられた。ぶっつけ本番の初ナイターが落球を誘発したと、岡田監督はみている。この日も“ポロリ”が2、3度あった。だから大事なのだと訴えた。

 「そんなん当たり前やん。(練習せずに)勝てんかったチームはいっぱいあるやん」

 エープリルフールのこの日から、さかのぼること約2カ月。1月31日、阪神園芸のグラウンド責任者・金沢健児甲子園施設部長(56)に1本の連絡が入った。4月1日の夜に甲子園を使いたい――と。岡田監督の意向を、球団を通じて聞いた。

 「選抜が雨で延びれば、準決勝、決勝が4月1日にかかる可能性がありました。試合日でも夜に甲子園を使えるのか知りたかったのでしょう。整備だけなので使えます。さらに、我々の労働時間や勤務態勢を気にしてくれた面もあります」

 2カ月先の予定を抑える計画性と周囲への配慮。ナイター練習には、一手先を読む知将のチームマネジメント術が詰まっていた。(倉世古 洋平)

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