【筑後鷹】育成の古川が切り拓く新境地「結局はアウトを取れば…」 三振捨て、打たせて取る投球目指す

2024年04月02日 05:00

野球

【筑後鷹】育成の古川が切り拓く新境地「結局はアウトを取れば…」 三振捨て、打たせて取る投球目指す
支配下返り咲きを狙うソフトバンク・古川
 昨オフに戦力外になり、育成選手として再出発したソフトバンクの古川侑利投手(28)が新境地を開拓中だ。倉野信次投手チーフコーチ兼ヘッドコーディネーター(49)から助言を受け、三振を奪いにいくスタイルから打たせて取る投球へモデルチェンジ中。支配下返り咲きへのヒントを得た右腕は、再び1軍でスポットライトを浴びるべく全てをぶつけている。
 古川は背番号が3桁に重くなったユニホーム姿で懸命に腕を振った。「開幕前には支配下に戻りたい」という一心だったが、1軍最後のオープン戦だった3月24日の広島戦で2回3安打1失点。オープン戦は計4試合に登板して、防御率4・76で試合後には首脳陣から2軍降格を告げられた。「打たれたことが戻ってくることはないので。先を見据えてああいう時があったから逆に良かったと思えるようにしたい」。ポジティブな性格らしくすぐに前を向いた。

 22年オフに実施された現役ドラフトで日本ハムから加入し、昨季は1軍で9試合に登板した。2軍では34試合で1点台の防御率を残したが、戦力外を伝えられ、育成選手として契約した。NPB他球団からのオファーもあった中、佐賀出身で子供の頃からファンだったソフトバンクに残る道を選んだ。「尊敬する小久保監督が1軍の監督になるので」という思いが強かった。

 オフは地元の佐賀県武雄市で「立場的にあれ(厳しい状況)だったので、よーいドンでいい姿を見せられるように」と体をいじめ抜いた。体重は5キロ増えて95キロに。宮崎春季キャンプはB組スタートだったが、A組行きの切符を勝ち取るなどアピールに成功した。

 現在は打たせて取る投球へのモデルチェンジに取り組んでいる。これまでは三振へのこだわりが強く、18年は楽天で計98回を投げ77奪三振、日本ハム時代の22年には35回1/3で32三振を奪った。「三振は取りたいですよ。だって一番リスクがないじゃないですか。打球が飛ばない方が」。ただ、現在のボールの質は三振を多く奪えるものではないと自己分析。巨人とのオープン戦で梶谷にソロを浴びた翌3月14日に倉野コーチと話す中で意識改革を勧められ、「結局はアウトを取ればいい。視野を広げるのも大事かなとは思います」と実践中だ。

 育成選手では3月19日に仲田、緒方、川村の野手3人が支配下登録されたが、投手はここまで動きはない。支配下選手枠はまだ5つ残っていてチャンスは十分にある。「形はどうあれバッターを打ち取ればいい。また新しい自分を見つけられるように」。28歳の年齢など含め自分の立場は分かっている。やるしかない。 (杉浦 友樹)

 ◇古川 侑利(ふるかわ・ゆうり)1995年(平7)9月8日生まれ、佐賀県出身の28歳。有田工では3年夏に甲子園へ出場。13年ドラフト4位で楽天に入団。19年シーズン途中にトレードで巨人へ移籍。トライアウトを経て22年は日本ハムでプレー。現役ドラフトで昨季ソフトバンクに加入した。背番号125。1メートル78、95キロ。右投げ右打ち。

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