【筑後鷹】高卒6年目捕手・渡辺陸の逆襲 100キロボディーを卒業し、1軍再昇格を誓う

2024年05月28日 06:00

野球

【筑後鷹】高卒6年目捕手・渡辺陸の逆襲 100キロボディーを卒業し、1軍再昇格を誓う
ソフトバンク・渡辺陸(撮影・岡田 丈靖) Photo By スポニチ
 ソフトバンクの高卒6年目、渡辺陸捕手(23)は宮崎春季キャンプ初日に左第1肋骨疲労骨折で離脱したが、すでに戦線復帰した。離脱の要因だったと自己分析する“100キロボディー”を卒業し、2軍で奮闘中だ。自主トレの師匠にあたる中村晃外野手(34)に伝えた「1軍でビールかけがしたい」という思いをかなえるべく、状態を上げていく。
 むなしさ、自分への怒り…。それは想像するに余りある。2月の宮崎春季キャンプ。渡辺陸は初日の打撃練習中に背中の痛みを訴えて不名誉なリタイア1号になった。「左第1肋骨疲労骨折」と診断され、わずか3日間で福岡に戻った。

 「オフシーズンしっかりやってきたので。もどかしい気持ちがありました」

 22年には20試合に出場して3本塁打を記録した“打てる”左打ちの捕手。昨季は打撃不振もあって1軍出場がなかった。オフは“化け物化プラン”を進めた。「メジャーリーガーを見ていてみんなでかい。何か変えないといけない」という思いから1日7食の食トレを敢行。6年目に向け14キロ増に成功し、100キロになった。自主トレは打撃職人の中村晃に弟子入りして「飛距離、捉えたときのスピードが違う」と100キロボディーに手応えがあった。

 ただ、体が悲鳴を上げてしまった。「負担は大きいと思う。少なからず原因はそこにあった」と一気の増量を反省。現在は97キロまでシェイプアップしたという。「100キロボディーは卒業しました」とすっきりした表情を浮かべた。

 リハビリ期間は逃げなかった。1軍の試合もしっかり見ている。「逆に気になるというか。見ちゃいますね。早くバッティングしたいな、とか思いながら」と振り返る。今できるトレーニングを黙々と重ねた。4月の3軍韓国遠征で実戦復帰し、現在は2軍まで戻ってきた。まだ打率は1割台と完調ではなさそう。「もうちょっと力強いスイングではじき返せるように」と上積みを狙う。

 開幕から“師匠”の中村晃は代打や一塁のスタメンとして1軍の屋台骨を支えている。「どういう起用をされても何も変わらず取り組んでいると思うので、そういったところを尊敬しています」と目を輝かせる。5月に入って食事をする機会があった。自然と野球の話題になったという。渡辺陸は「ビールかけがしたい」との思いを伝えた。中村晃は“ビールかけしたいという選手が出てきたんだな”という反応だった。「一緒に優勝して喜びを分かち合いたい」と決意している。

 甲斐と海野がいる1軍の捕手陣に割って入るには結果を残し続けるしかない。「毎日、毎試合が勝負。出せるものを全部出そうと思ってやっている」。“陸の逆襲”が始まった。 (杉浦 友樹)

 ◇渡辺 陸(わたなべ・りく)2000年(平12)9月24日生まれ、熊本県出身の23歳。鹿児島・神村学園2年夏にチームは甲子園出場も、自身はメンバー外で甲子園でのプレー経験はなし。18年育成ドラフト1位でソフトバンクに入団。21年途中に支配下登録される。背番号は79。1メートル87、公称から7キロ増の97キロ。右投げ左打ち。

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