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今でも燕戦士とLINEで連絡 日本での思い出を大事にしてくれるマクガフの復調を願う

2024年05月28日 13:15

野球

今でも燕戦士とLINEで連絡 日本での思い出を大事にしてくれるマクガフの復調を願う
ドジャース戦で登板したDバックス・マクガフ(撮影・光山 貴大) Photo By スポニチ
 「ハマキ、好きですか?」。アリゾナでドジャース―ダイヤモンドバックスの3連戦を取材した4月下旬、流ちょうな日本語でそう声をかけられて驚いたことがあった。
 声の主は2022年までヤクルトの守護神として活躍したスコット・マクガフ。近年は日本で実績を積んだあと、メジャーに声をかけられる選手が多いが、マクガフもその1人である。昨オフ、2年総額650万ドル(約10億2100万円)の好条件でDバックスに入団すると、一時はクローザーを任されるほどの働きでワールドシリーズ進出に貢献した。

 そんなマクガフに日本で関わった選手、米国で活躍する日本人選手たちについて尋ねると、熱い言葉がほとばしるように流れ出てきた。「今でも(古巣スワローズの)スコアやレポートは見ている」と明かし、山田哲人、清水昇、村上宗隆らとはLINEで連絡をとっていると述べた。中でも村上のメジャー挑戦は今から楽しみにしているようで、「彼はここでも凄いことをやれると思う」と成功に太鼓判を押した。

 今季からドジャースに加わった山本由伸について問うと、2021年の日本シリーズで山本がみせた9回、141球の力投の話を持ち出し、「あれは本当に凄かった」と目を輝かせた。また、山本同様、同地区のライバルチームでプレーすることになった大谷翔平に関しても、対戦が楽しみで仕方ない様子だった。

 「(大谷は)リーグ最高級の打者だ。最高の選手と対戦したいもの。全てのゲームが(日本で)テレビ中継されるし、大騒ぎになる。同じ地区にいるのはとてもクールなことだ。彼と対戦する時は最高の球を投げなければいけない」

 レッドソックスのクリス・マーティンらと同様に、「今の自分があるのは日本で経験を積んだおかげ」という思いがあるのだろう。どんな質問にもうれしそうに答え、最後にはアリゾナの日本食レストランガイドまでしてくれた。

 「韓国BBQのSizzleと、スコッツデールのHiro Sushiは美味しいよ。Hiro Sushiは日本人オーナーの店で、私の監督でもあった高津(臣吾)、それからノリ(青木宣親)、五十嵐(亮太)の写真まで貼ってあるんだ」

 冒頭で記した通り、自ら日本語で話しかけてくるくらいで、マクガフほど日本への思いがわかりやすい形で伝わってくる選手も珍しい。

 残念なのは今季のマクガフが苦しいシーズンを過ごしていることだ。今季はここまで15試合に登板し、1勝3敗、防御率6.75と低調。借金生活のチーム同様に厳しい状況の中で、5月7日にはマイナー降格を告げられてしまった。以降、3Aでは6試合中4戦で無失点、防御率3.86とまずまずだが、再昇格は果たせていない。

 「あまり出来は良くないけど、いくつか課題を持って毎日向上を目指している。どんな形でもいいからチームの勝利を助けたい。毎シーズン、いい時期とそうではない時期がある。今は厳しい時期だけど、踏ん張っていけば大丈夫だと思う」

 そう語っていたナイスガイは、本人の言葉通りに長いシーズンの中で巻き返すことができるかどうか。これほど日本での関係や思い出を大事にしてくれる34歳の右腕に感情移入しないのは難しい。ぜひともここから復調し、ナ・リーグ西地区で大谷、山本らを相手にまた元気な姿を見せてほしいところだ。(杉浦大介通信員)

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