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牛島和彦氏 ロッテ朗希よ、怪物であれ 「勝てる」投球だが「制圧」するところを見たい

2024年10月01日 22:08

野球

牛島和彦氏 ロッテ朗希よ、怪物であれ 「勝てる」投球だが「制圧」するところを見たい
<楽・ロ25>完投でCSも2ケタ勝利も決めた佐々木(撮影・長久保 豊) Photo By スポニチ
 【パ・リーグ   ロッテ5ー1楽天 ( 2024年10月1日    楽天モバイル )】 ロッテは先発・佐々木朗希投手(22)が9回108球を投げて5安打1失点で2年ぶり2度目の完投勝利。
 プロ5年目で自身初となる2桁10勝目を挙げ、チームは今季141試合目で3位が確定。2年連続となるクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。

 スポニチ本紙評論家の牛島和彦氏(63)が佐々木の投球を分析した。

 【牛島和彦 視点】故障もあり、佐々木にとっては苦しんだ1年だったと思う。規定投球回には届かなかったが自身初の10勝。投球の幅が広がり、確実に進歩しているところを見せてくれた投球だった。

 縦に鋭く落ちるスライダーが武器の一つだが、この日は同じスライダーでも120~130キロ台と球速に差を付けていた。この緩急で楽天打線を幻惑した。

 もう一つ、緩い球を投げることは投球フォームに大きな利点がある。右投手が緩いボールを投げようとする際、左肩が開くとどうしてもすっぽ抜けてしまう。この日の佐々木は、逆に緩い球を投げることで悪癖である左肩の開きを抑えていた。

 その結果、フォークが抜けることはなく、シュート回転した直球も1、2球しかなかった。初回はフォークが2度、引っかかり気味で暴投となったが、落ち自体は抜群だった。抜けることがなければ、やはり決め球としての威力は抜群だ。

 ただ、やはり佐々木は「怪物」であってほしいと思う。初回2死。辰己に対して2ボールからの3球目の直球を中前打された。直球を待たれるカウントだったが、それが分かっていても直球で空振りかファウルにする。「令和の怪物」なら、できるはずだ。

 この日の直球は155キロ前後。スピードを抑え、コントロールを重視していた。「勝てる」投球ではあるが、同時に160キロ超の直球で勢いとともに相手打者を「制圧」する場面もやはり見たい。ギアの切り替えで、1試合の中で両方の顔を見せることもできるはず。まだ22歳。小さくまとまる必要はないと思っている。

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