桂慶治朗 「NHK新人落語大賞」受賞で注目集める異色の脱サラ落語家「落語掘り下げ、忠実に」

2024年03月20日 11:00

芸能

桂慶治朗 「NHK新人落語大賞」受賞で注目集める異色の脱サラ落語家「落語掘り下げ、忠実に」
「NHK新人落語大賞」を受賞して人気赤丸急上昇中の桂慶治朗 Photo By スポニチ
 【古野公喜のおもろい噺家み~つけた!】28歳で五代目桂米団治(65)の門を叩き、昨年11月に「NHK新人落語大賞」の大賞に輝いたのが桂慶治朗(39)。「今までやってきて本当によかった」と涙した。
 自称「頑固者で人に指図されるのがイヤ」という性格。高校卒業後3年間アルバイトで貯金し、1年間予備校に通って甲南大へ。卒業後、不動産会社に就職したが「将来はフリーで活躍できる仕事を」と夢を描き、1年で会社を辞めた。

 子どもの頃から人を笑わせるのが好きで、小学3年時には学芸会のコントの脚本を書いた。友達の話にオチがなかったら「あのな…」と教える浪速っ子。だが、落語とは全くの無縁だった。落語に初めて触れたのはテレビ番組。「これならできそう」と甘く見ていた。テレビで「親子茶屋」を演じる師匠に「この人しかいない」と決断し、門を叩いた。

 弟子入り後、「エラいところへ来た」と自分の考えの甘さに気づかされた。「人間的魅力に乏しい」と自己分析。「ざこば師匠や鶴瓶師匠、ウチの師匠みたいに、見てて面白い、この人が何を言うか聞きたい、と思える人間ではない」と言う。落語の面白さを分析して「落語を掘り下げ、忠実に演じ、演者の魅力でなく、落語の魅力を伝えたい」と追求を続ける構えだ。

 「自分が他の噺家(はなしか)より面白いとは思わないけど、確実に昨年の自分より腕は上がってる」。23日に受賞記念独演会(中之島会館)を開催する。「自分の名前で独演会と銘打つのは初めて」。受賞した「いらち俥(くるま)」と「壺算(つぼざん)」の2席。「噺の面白さをていねいに伝えたい」と腕ぶす。 (演芸担当)

 ◇桂慶治朗(かつら・けいじろう) 本名・佐々木慶喜(ささき よしき)。1984年(昭59)4月24日生まれ、大阪市出身の39歳。甲南大卒業後、会社員を経て12年5月に五代目桂米団治に入門。昨年11月にNHK新人落語大賞を受賞。

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