森永卓郎氏 ゼロ金利解除をバッサリ「5年や10年先にやらなきゃいけないことは今、やっちまった」

2024年03月20日 13:24

芸能

森永卓郎氏 ゼロ金利解除をバッサリ「5年や10年先にやらなきゃいけないことは今、やっちまった」
経済アナリストの森永卓郎氏 Photo By スポニチ
 経済アナリストの森永卓郎氏(66)が20日、ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」にスタジオ生出演。日銀のマイナス金利政策の解除について見解を示した。
 日銀は19日の金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の柱であるマイナス金利政策の解除を決めた。2007年以来17年ぶりの利上げで、約11年に及ぶ大規模緩和策の正常化を始め、金融政策は歴史的な転換点を迎えた。

 この日、森永氏のコーナー「9時の聞きドコ~ニッポン経済の今を解説~」でもこの問題を取り上げ、「二極化する日本企業 今、本当に必要な経済政策とは」というテーマで話した。

 森永氏は「マイナス金利を解除して、17年ぶりの金融引き締めに日銀は打って出たわけですけど、これはどういう思想的な背景があるのか。デフレ脱却なんかしてない。にもかかわらず、無理やり金利を引き上げにいった」と見解を示し「ちょっと話がズレているように思われるかもしれないが、日銀と財務省は今でも一体なんです」とした。財務省の前事務次官・矢野康治氏についても触れ、「政府部内で高い評価を得ている」とし、同氏が先月22日に東京財団政策研究所のイベントで基調講演を行った内容を取り上げた。

 矢野氏について「もともと強烈な財政再建論者」だとし、「どんどん財政支出は締めて、増税をどんどんする、それが正しい道だって言っている人」と森永氏。「『企業も個人も低金利の絶大な恩恵を受けてきた。国債の利払いも横ばいか、シフトダウンで済んできた。ただ日本経済全体がぬるま湯になり、ゾンビ企業の温存など、経済全体を弱くしたことは間違いない。良かれと思ってしたことが中長期的には逆だったという結果をよく反省すべきだ』と矢野氏が言っていた」と基調講演の内容を伝えた。

 森永氏は「ぬるま湯のおかげでゾンビがいっぱい生き残って、それが日本経済の足を引っ張っている、大規模金融緩和の厳しく批判して、財政引き締め、金融も引き締め、それがこれから日本が歩むべき道だっていうふうにおっしゃったわけです」と解説。「実は信用調査機関の推計によると、金利が1%上がると、7%の企業が赤字転落すると。これはずっと続きますから、そういった企業はつぶれていく。1%引き上げただけで、7%の企業が消えてなくなるっていうのがこれから起こる事態なんです。今回はゼロから0・1になったので、最大で0・2%上がるんですけど、そこからどんどん引き上げにいくわけです」とした。

 世界恐慌時のヨーゼフ・シュンペーターと、アーヴィング・フィッシャーとの論争も引き合いに「5年や10年先にやらなきゃいけないことは今、やっちまったということ」と今回の日銀の動きをバッサリ。リスナーからの「せっかく上昇しかけた景気の腰を折るなんてことにはならないんですか?」という投げかけにも「なるんです」と主張した。

 「この強者の論理をやめろよ!って」と森永氏。「私は言いたい、まず、日銀の上田総裁の黒塗りの車での送迎をやめようと。とりあえず、電車に乗れと。それで、商店街に買い物にいってみろと。ついで、年収3千何百万もらっているので、それを10分の1にする。そうすると、庶民の感覚は分かると思う。これは国会議員も同じ」と訴えた。

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