【林享の目】守りに入らなかった星 どんなときもチャレンジする気持ちを
2016年08月12日 10:00
五輪
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星は持っている力を出し切った。準決勝では思いのほか前半のタイムが上がらず不安もあったと思うが、決勝では前日より前半100メートルを1秒近く速く入った。
4日前の100メートルで自己ベストを出しており、スピードには手応えがあったと思う。積極的な泳ぎで、先行するグローブスとベルモンテガルシアに離されないでついていったことがメダルにつながった。星の強みはラスト50メートルでペースダウンしない粘り。今回も最後まで50メートルごとのラップタイムを32秒台でまとめた。ただ先行した2人も終盤で落ちず、追いつくことができなかった。
前年の世界選手権で優勝し早々と代表内定を得て、背負うものも大きかったと思う。金メダルには届かなかったが、2大会連続の銅メダルは守りに入らず、集中して練習してきた成果だろう。一方、同じく前年に代表内定した平泳ぎの渡部は重圧に苦しんだ。どのタイミングで代表になってもチャレンジする気持ちが重要だ。(東海学園大水泳部監督、92年バルセロナ五輪100メートル平泳ぎ4位)