福原愛 狙われたバックサイド 謎の北朝鮮選手はランク以上の実力者
2016年08月12日 08:50
五輪
【松下浩二の目】今大会は福原の調子がいいが、準決勝で対戦した李暁霞の出来も良すぎた。研究し尽くされボールにラケットが当たらないシーンが何度もあった。特にバックサイドに打たれると、福原はバックハンドで止めるだけなので狙われていた。
球の速さも準々決勝で対戦したフェン・ティアンウェイ(シンガポール)よりも10キロくらいは速い。速いボールを取り慣れていない中で、厳しいコースに打たれて窮地に追い詰められてしまった。
3位決定戦で対戦したキム・ソンイの世界ランキングは50位だが、国際大会にあまり出場しない北朝鮮の選手で、実際の実力はランク以上だった。しかもカットマンでありながら、速い球を打てる。福原は打てる球を打ち返し、打てない球を捨てていたが、それで相手の思うつぼにはまってしまった。メダルが懸かり、大事にいきすぎた面もあったと思う。
団体戦は勝ち進めば、決勝で中国との対戦になる。福原に限らずゲームごとに戦術を変えるなど、大胆な戦い方をすることで勝機を見いだしてほしい。(五輪4大会連続出場、97年世界選手権男子ダブルス銅メダリスト)