野田立民、棚ぼた大勝 自民自滅で追い風も「笑っている場合ではない」狙うは次の衆院選での第1党

2024年10月28日 04:30

社会

野田立民、棚ぼた大勝 自民自滅で追い風も「笑っている場合ではない」狙うは次の衆院選での第1党
当確者の名前が掲げられたボードの前で写真に納まる立憲民主党の野田代表 Photo By 共同
 立憲民主党が選挙前の98議席から大幅に議席を増やし、自民党を単独過半数割れに追い込んだ。野田佳彦代表(67)は午後9時前、都内の開票センターに姿を見せ、当選の赤い花が付いた候補者のボードを壁に貼り付けていった。カメラマンから「笑顔でお願いします」の要請には「まだ、笑っている場合ではないので」と表情を引き締めた。
 「政権交代こそ、最大の政治改革」のスローガンを掲げ、与党過半数割れと比較第1党を目標とした選挙戦。各地へ飛んだ野田氏は、自民の派閥裏金事件を徹底的に攻撃。この作戦が功を奏した。ダメ押しとなったのが終盤の23日に発覚した「自民、裏金非公認候補にも2000万円」。有権者の“政治とカネ”への怒りをさらにかき立てた。

 野田氏はその後、テレビ各局の選挙特番に相次いで出演。「首相指名を取りにいくのは当然だ。政権交代こそ最大の政治改革と言った以上は追求したい」と述べた。選挙後に開かれる特別国会での首班指名。立民は単独過半数でなければ、他党に「野田佳彦」と書いてもらわねばならない。野田氏は「まずは(党で)選挙の総括をする」とし、その上で「あす(28日)からの野党間の対話は重要になる。特別国会のことだけではなく、来年の参院選のことまで」と話した。他党との連携に関しては「自公政権の継続は駄目だとの立場で、抜本的な政治改革を推進するとの一致点があるなら対話していきたい」と意欲を示した。

 選挙戦を通して“裏金一点突破”は功を奏したが、自民の敵失が追い風となったとみる向きも多い。党内の若手からは「棚ぼた」の結果に戸惑いの声も上がった。「これが実力だと思ったら大ケガする」と自戒を込めて話す党幹部もいた。

 次は来年夏の参院選で与党を過半数割れに追い込めるかだ。定数248議席中、現有勢力は自民113、公明27で140議席。そのうち改選を迎えるのは自民51、公明14の65議席。16議席減らせれば過半数割れだ。完全な政権交代へは、次の衆院選での第1党確保が必須。前回自民が敗戦した2009年の第45回衆院選では、民主党(立民の前身)は115議席から308議席と単独過半数(241議席)を大きく上回った。その日は再び訪れるのか。野田氏の本当の手腕が問われるのは、これからだ。

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