裏金議員、敗北ラッシュ 国民の信頼取り戻せず 出口調査で74%が「考慮した」 下村氏「おわび行脚」

2024年10月28日 04:30

社会

裏金議員、敗北ラッシュ 国民の信頼取り戻せず 出口調査で74%が「考慮した」 下村氏「おわび行脚」
落選となり、頭を下げる下村博文氏(中央) Photo By スポニチ
 派閥裏金事件の影響はあまりに大きかった。自民党は、公認を巡り、比例代表との重複立候補を認めなかった裏金候補の選挙区を中心に苦戦した。選挙戦終盤には非公認候補が代表を務める政党支部に「活動費」名目で2000万円を支出していた問題も発覚し、最後のダメ押しとなった。なお東京24区に無所属で出馬した萩生田光一氏(61)は当選を確実とした。
 党執行部の読み違いが大敗を招いた。裏金候補への対応を巡り、石破首相は旧安倍派を中心に「相当程度」を非公認にすると予告していたが、共同通信社が3度にわたり行った衆院選に対する意識の変化を探る全国電話世論調査(トレンド調査)では、いずれも7割以上が「不十分だ」と回答。世論の納得を得られると踏んだ首相の思惑は外れた。

 出口調査でも、裏金問題を考慮したかの質問に「考慮した」は全体で74%。「考慮しなかった」は23%にとどまった。自民支持層でも68%が考慮。投票行動を大きく左右したのは明らかだ。首相は厳しい結果に「緩みやおごりがあったことは反省している」と肩を落とし、小泉進次郎選対委員長は「国民とズレていたと指摘されても仕方ない」と言葉少なだった。

 選挙で盤石の強さを誇った議員も裏金で散った。東京11区で9期連続当選してきた下村博文元文科相(70)は非公認で出馬し、立民元職の阿久津幸彦氏(68)に完敗。事務所内のテレビは開票開始直後の午後8時過ぎ、阿久津氏の当選確実を伝えた。集まった支援者の一部から「あ~」と声が漏れた。

 約10分後、会見場に姿を見せた下村氏は開口一番「申し訳ございませんでした」と深く一礼。その後は支援者一人一人に「すみませんでした」と握手とともに謝罪。すすり泣く支援者もおり、下村氏の目も赤かった。

 下村氏は「まさに政治とカネの問題で、無所属で戦わざるを得ないという状況」と選挙戦を振り返った。今後の政治活動については「まずはおわび行脚をして、丁寧にお礼を申し上げたい」ととどめ、進退については明言しなかった。(塩野 遥寿)

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