天国へ旅立った朝潮は「心から相撲のことを愛していました」 訃報一夜明け恵夫人が心境明かす

2023年11月05日 04:30

相撲

天国へ旅立った朝潮は「心から相撲のことを愛していました」 訃報一夜明け恵夫人が心境明かす
85年、婚約者の芋縄恵さんと笑顔で記念写真に納まる朝潮 Photo By スポニチ
 日本相撲協会は4日、元大関・朝潮の長岡末弘さんが2日に小腸がんのため、67歳で東京都墨田区の自宅で亡くなったと発表した。妻の恵さんも取材に応じ、昨年から療養生活だったことを明かした。
 朝潮死去の訃報から一夜明け、夫人の恵さんから詳細が明かされた。死因は小腸がん。昨年から治療を受け療養していたが、2日に東京都墨田区の自宅で亡くなったという。「回復に向けとても頑張っておりましたので、本当に残念です」と無念の思いを口にした。

 1週間後に初日を迎える九州場所への影響も配慮し近親者で密葬を執り行い、お別れの会を予定している。「最後は安らかに亡くなりました。楽しい人だったので、いろいろな思い出がある。本当に外にいることが多くて、家族でゆっくりいることが少なかったかもしれないので、今は相撲の邪魔をせずに家族で静かに送りたい」と述べた。

 恵さんは「学生時代から相撲一筋の人生で、心から相撲のことを愛していました」と振り返る。長岡さんは強烈な突き、押しを持ち味に活躍し、大関を36場所務めた。優勝は1回だが、豪快な取り口と陽気なキャラクターで「大ちゃん」の愛称で親しまれた。「大ちゃんの愛称で皆さまから親しまれ、たくさんの応援を頂き、本当にありがとうございました」と感謝の思いを口にした。

 師匠としては横綱・朝青龍、大関・朝乃山を育てた一方で、弟子の度重なる不祥事に追われた時期もあった。親方生活は暗転したが、「日本相撲協会を去ってからも後進の活躍を心から願っておりました。この世を去り、あの世へ行っても後進の活躍と大相撲の発展を願い続けていることと思います」と夫の気持ちを代弁した。

 長岡 末弘(ながおか・すえひろ)1955年(昭30)12月9日生まれ、高知県室戸市出身。近大で2年連続アマチュア横綱と学生横綱を獲得。78年春場所、幕下付け出しで初土俵。同年九州場所で新入幕。79年春場所、部屋伝統のしこ名「朝汐」に改名。82年九州場所で「朝潮」に改名。83年春場所後に大関昇進。「大ちゃん」の愛称で親しまれた。89年春場所限りで引退。90年3月、若松部屋(のちの高砂部屋)を継承。横綱・朝青龍や大関・朝乃山らを育てた。優勝1回。殊勲賞10回、敢闘賞3回、技能賞1回。通算564勝382敗33休。

 ▽小腸がん 十二指腸、空腸、回腸の3つの部位から構成される小腸に発生する悪性腫瘍。免疫機能が高く、毒物や細菌、ウイルスなどを排除する機能が強いため患者数は10万人に1、2人と極めて少ない「希少がん」に分類される。また小腸は胃や肛門から距離があり、通常の内視鏡でも届かないため検診による発見が難しい。

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