【高校ラグビー】ともに不祥事からの再出発を目指した対戦はBシード石見智翠館が京都成章に勝利

2023年12月30日 15:40

ラグビー

【高校ラグビー】ともに不祥事からの再出発を目指した対戦はBシード石見智翠館が京都成章に勝利
<石見智翠館・京都成章> 前半、石見智翠館・筧はトライを決める(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 【全国高校ラグビー大会2回戦   石見智翠館36―26京都成章 ( 2023年12月30日    花園ラグビー場 )】 ノーサイドの瞬間、石見智翠館フィフティーンは力こぶしを振り上げ、仲間と勝利を確かめた。前回大会ベスト4の京都成章を下して、正月を花園で迎えることができた。タフな試合を、FW、バックス一体となって制した。
 ともに厳しい状況の中から花園を目指したチームだった。京都成章では7月に元部員らが大麻取締法違反の疑いで逮捕された事件が発覚した。「ラグビーをやっている場合ではなかった」と関崎大輔監督が打ち明けるように、部内も学校も混乱した時期があった。一方の石見智翠館でも2月に女子寮での盗撮事件に元ラグビー部員が関わっていたことが明らかになり、春の選抜大会を辞退していた。

 両校とも指導体制を見直し、新監督の下で再出発を目指した。スキルアップのための練習とともに、ミーティングを繰り返し、風通しのいいチーム運営を目指したことも共通していた。勝ってもなお世間の厳しい目は向けられるのは宿命。それを団結力に変えての花園だった。

 5―5で迎えた前半14分、石見智翠館はゴール前ラックからU17日本代表で高校日本代表候補、NO・8祝原久温(2年)が飛び込み、勝ち越しトライ。京都成章も後半3分にラックから右に展開し、WTB金内友希(3年)のトライで同点とした。それでも石見智翠館は後半10分にロック山根風雅(2年)がSOからのロングパスを受け、インゴールに飛び込むと、同18分にはラックからの左展開で谷本一斗(3年)がトライに成功。粘る京都成章も同21分に1トライを返したが、石見智翠館はリードを許さなかった。

 ▼石見智翠館・出村知也監督 成章さんは凄くアタックのバリエーションが多いので、分析もしたし、練習もディフェンスに時間を費やした。練習でやってきたことはほとんど出せたと思う。(不祥事で)ラグビーができない時期が長かったんですけど、支えてくれている方々に感謝の気持ちを込めて、国体や花園を目指そうと伝えて、やってきました。規律のところを改めて説明して、前を向いてラグビーに取り組もうという話をしてきました。

 ▼京都成章・関崎大輔監督 きついこと、しんどいことを乗り越えられるチームになろうと過ごしてきた。足は止まっていなかったので、やりきれたのかなと。智翠館強かったです…。僕が手探りで迷惑をかけた。そのたびに3年生に助けられた。感謝しかありません。

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