奥原は右足負傷で涙の途中棄権「最後まで試合をしたかった」バドミントン全日本総合選手権

2023年12月30日 16:32

バドミントン

奥原は右足負傷で涙の途中棄権「最後まで試合をしたかった」バドミントン全日本総合選手権
<バドミントン女子シングルス決勝>棄権する奥原 (撮影・白鳥 佳樹) Photo By スポニチ
 【バドミントン全日本総合選手権最終日 ( 2023年12月30日    東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ )】 女子シングルス決勝が行われ、2年ぶり6度目の優勝を狙った奥原希望(28=太陽ホールディングス)は右足太腿負傷のため途中棄権した。
 奥原は、太腿にアイシングを施した右足を引きずりながら会見場に姿を見せた。「最後まで試合をしたかったけど、試合できなくて本当に悔しい」。涙を流し、声を詰まらせながら、そう話した。

 20歳の新鋭・杉山薫(BIPROGY)との決勝。第1ゲームは6―7から5連続得点で流れを引き寄せ21―17で先取した。

 しかし第2ゲームは精彩を欠いた。序盤こそ得点を重ねたものの5―1から8連続失点で逆転を許した。

 体の切れを失い、ショットを追いかけてコートに倒れ込み、顔をゆがめた。こみ上げるものをこらえ切れず、タオルで顔を覆った。

 1―14から4連続得点で同点に追いついたものの、このゲームを18―21で落とした時点で、右太腿の負傷のため試合続行不可能と自己判断し、主審に棄権を申し出た。

 前日の準決勝の途中から痛みが出た。「昨日の試合はセーブしながらやった。今日の朝のアップでは戦えるのかと不安もあったけど、とりあえずコートに立ちたいという思いでコートに立った」。

 しかし試合開始から足に力が入らない状態で「踏み込んで負荷が蓄積して足が反応しなくなって、2ゲーム目で完全に足に力が入らなくなった」。涙の理由を聞かれると「相手に申し訳ない気持ちでいっぱいだった」と説明した。

 「決勝は特別な舞台なのでやり切りたいという気持ちだった。足の痛みと格闘しながら、今できることをやろうと言い聞かせた」と意地とプライドで体にムチを打ち、コートに立ち続けた。
 今年は2月と3月に左足の肉離れを発症するなど離脱を繰り返した。しかし、11月~12月にワールドツアーで2大会連続優勝を飾るなど復調した。「このケガがどこまで長引くか分からないけど、完全に戻ってこれている自信と感覚を皆さんに示すことができた」と手応えはある。

 現在世界ランク26位で日本勢3番手。パリ五輪代表選考レースでは追いかける立場だが、逆転の可能性は十分ある。「早く復活して来年のレースを戦い切れるようにしたい」と前を見据えた。

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