34歳入江陵介 パリ切符逃すも納得「かみ締めて泳いだ。自分をほめてあげたい」去就については明言避ける

2024年03月22日 21:05

水泳

34歳入江陵介 パリ切符逃すも納得「かみ締めて泳いだ。自分をほめてあげたい」去就については明言避ける
<競泳パリ五輪代表選考会第6日目>男子200メートル背泳ぎ決勝、五輪出場を逃すもさわやかな表情の入江(撮影・西尾 大助) Photo By スポニチ
 【競泳パリ五輪代表選考会第6日 ( 2024年3月22日    東京アクアティクスセンター )】 男子200メートル背泳ぎの決勝に出場した34歳の入江陵介(イトマン東進)が、パリ五輪切符を逃した。派遣標準記録(1分56秒92)を突破したうえで上位2位までに入れば代表権を得られたが、入江は1分58秒37の3位で逃した。1位の竹原秀一(東洋大)だけが代表権を手にした。
 入江はレース終了直後はぼう然した表情を見せたが、代表権を手にした竹原を祝福。さらにプールから上がるとスタンドに手を振って声援を送ってくれたファンに応え、さわやかな表情で「悔しいけど、やり切りました」と振り返った。

 その後の囲み取材でも「やれることはやった。最後はかみ締めて泳いだ」と胸中を明かし、今後については「今すぐに何か明言できることはない。最後は自分をほめてあげたい。ずっと競泳に生きてきた」としみじみ語った。

 入江は08年北京五輪から東京五輪まで4大会連続で五輪に出場。北島康介氏、松田丈志氏に並ぶ日本競泳界最多タイの出場回数で、パリ五輪に出場すれば単独トップ、さらに35歳で迎えるパリ大会は競泳陣では史上最年長での出場となるはずだった。

 それだけに「パリを決められなかったのは残念」と話したが、「今はゆっくり休んで、自分の口で何かを伝えるのはまだ早い。初の五輪代表が多く、世代交代を感じる」と今後については明言しなかった。

 また「代表は家族のような場所。入れなくて悔しいが、寂しい気持ちの方が強い。やり残したことはない。やりすぎた感じです」と暗い表情は見せず、長かった代表生活を振り返った。

 19日の100メートル背泳ぎで派遣標準記録を突破できず2位となり代表権を逃した。1位になれなかったことで、メドレーリレーでの代表入りも絶望的。パリ切符獲得の最後のチャンスとなるこのレースを「集大成」と位置づけていたが、残念な結果となった。

 200メートル背泳ぎは12年ロンドン五輪で銀メダルを獲得した思い入れの強い種目。持ち味の大きな泳ぎを生かせる得意種目だが、過去のレース後に嘔吐(おうと)するなど心身ともに負担が大きく東京五輪後は距離を置いていた。

 一時は16年リオ五輪後に一線を退く考えもあったが、13年のIOC総会で開催が決まった東京五輪の招致活動に関わり、自国開催の大舞台を目指すことを決断。東京五輪後も悩んだが「心の中にまだ足りないものがある」と競技を続行した。若手が伸びてこない背泳ぎで次世代に何を残せるのか。自問自答して試行錯誤する日々だった。

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