下馬評を覆し首位躍進、広島好調の要因とは――新井監督の力に担当記者が注目

2023年04月18日 05:03

野球

下馬評を覆し首位躍進、広島好調の要因とは――新井監督の力に担当記者が注目
躍進する広島を引っ張る新井監督 Photo By スポニチ
 広島がセ・リーグの首位に浮上した。下馬評を覆す躍進の要因は?昨季まで虎番だった現広島担当記者の長谷川凡記(28)は開幕4連敗からの逆襲へ導いた新井貴浩監督(46)のマネジメント力に注目した。
 秋山が驚異的な打撃で貢献し、投手陣も大瀬良を中心に先発、救援とも奮闘。8勝のうち4勝が逆転で、「家族」を引っ張る新井監督の姿が印象的だ。

 開幕4連敗でも「気持ちは伝わっている」と選手の背中を押し続けた。盗塁死はリーグ最多5度。失敗しても挑戦はやめない。「初回からバントはしない」の方針も少々負けが込んでも揺るがなかった。13試合を終えて犠打0。投手にバント機会がほとんどないことを考慮しても「ワクワクする野球」を追い求める姿勢が表れる。

 開幕から不振の小園には早出練習などで言葉をかけ、9日の巨人戦では栗林と話し合った上で3連投を決断。15日にリフレッシュで登録を外した大瀬良には「話したいことがあったら、どんどん言ってきてほしい」と伝えた。目と目を合わせ、言葉を交わして選手と気持ちを通わせる。「ミスは野球に付きもの。ミスが出た後にどうするかが大切」。2日のヤクルト戦で敗戦に直結する失策を犯した野間は14日同戦での決勝打で取り返した。

 15日の秋山のサヨナラ弾ではどの選手よりも跳び上がって喜び、5点差を逆転した16日は田中の満塁弾に「血が沸騰」するほど興奮した。本拠地マツダスタジアムでは勝敗に関係なく一塁ベンチ前に整列して観衆にあいさつ。昨季まで阪神を率いた矢野燿大前監督と通じる部分があると感じる。もちろん習ったわけでなく、どれも自然体。年が若く、現役時代を知る選手も多い分、より距離も近い。

 18日からは阪神選手時代に本拠地でもあった甲子園で3連戦。「甲子園でできることに感謝しながら全員で力を合わせて戦っていくだけ」と力を込めた。12球団最年長65歳の阪神・岡田監督が熟練の采配で高所から選手を導くなら、最年少46歳の新井監督は選手と一緒に輪になって前進しようとしている。まだ4月。首位攻防というよりも“時代の激突”として注目している。(長谷川 凡記)

 <好調を支える投手陣>○…広島の好調の要因としては先発、救援ともにリーグ2位の防御率を誇る投手陣が大きい。開幕から13試合で犠打0は1977年の12試合を更新して球団最長だ。得点圏打率は約2割ながら、接戦を制しているのは新井監督の手腕と言えそう。2度の降雨コールド勝ちを収めるなど運も味方している。ただ、8勝のうち7勝が本拠地マツダ。甲子園3連戦は試金石となる。

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