【スポニチスカウト部(11)】東北・ハッブス大起 150キロの素質秘めるダル2世

2023年04月18日 06:30

野球

【スポニチスカウト部(11)】東北・ハッブス大起 150キロの素質秘めるダル2世
「脱力投法」で急成長した東北のエース・ハッブス
 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第11回は東北(宮城)のハッブス大起投手(3年)。OBのパドレス・ダルビッシュに憧れる1メートル88の大型右腕は、今春の選抜で初の甲子園を経験し収穫と課題を得た。 【ドラフト速報
 今春の選抜で優勝した山梨学院と開幕戦を戦った東北。先発した最速145キロ右腕のエース・ハッブスは、4回2/3を5安打2失点で降板。四死球は5で三振は6。長所も短所も表れた101球に「凄く申し訳ない気持ちでいっぱい。夏、絶対に戻ってきたい」と語った。

 聖地のネット裏でスカウトが見守る中、大きな体をうまくコントロールして滑らかなフォームで投げ込んだ。最速143キロをマークし、初回こそ3者凡退で抑えたが2回以降は制球に苦しんだ。それでも毎回のように背負ったピンチで果敢な攻めを見せた。高校生投手では珍しく、打者の内角を何度も直球で突いた投球は魅力的だった。気温が上がり、コンディションも高まる夏には150キロ近くをマークする素質を秘めている。

 一方、課題は明確だった。序盤は140キロ台が出ていた直球はKOされた5回には130キロ台前半まで落ちた。体力消耗の激しい夏に向けて、先発投手としてチームをけん引するためにはスタミナ強化が急務だ。そして変化球にも課題がある。直球を投じる時よりも腕の振りが明らかに緩む。プロの世界を目指すためにも、必要不可欠な修正点。先輩のダルビッシュのように変化球も直球と同じ腕の振りから投げることができれば、売りである奪三振能力はより高まるだろう。

 元巨人の佐藤洋監督のアドバイスで「脱力投法」を身に付けて急成長した「ダルビッシュ2世」。昨秋の宮城県大会決勝では仙台育英戦に先発し、6回5安打無失点の快投で優勝に導いた。初の甲子園出場を「ゴールじゃなくてスタートラインだと思っています」と語っていたダイヤの原石。選抜で得た課題をさらなる成長につなげ、夏の戦いと、秋のドラフトへ向かっていく。 (柳内 遼平)

 ☆球歴 小4から白鳩ジュニアーズで野球を始め、小6時にはヤクルトジュニアに選出。小針中(埼玉)では上尾シニアに所属。東北では1年春からベンチ入り。好きな言葉は「諦めない心に夢宿る」。

 ≪東海大菅生・日当評価上げた センバツで投手陣躍動ドラフト候補続々≫今春選抜ではドラフト候補として、東海大菅生(東京)の最速150キロ右腕・日当(ひなた)直喜が大きく評価を上げた。大会最速の148キロの直球、多彩な変化を自在に操るフォークでスカウトにアピール。大会No.1投手として評価されていた大阪桐蔭の最速148キロ左腕・前田悠伍の評価も上々だった。制球力、変化球の完成度が高く1位候補の評価は不変だ。初の選抜出場となった能代松陽(秋田)のエース右腕・森岡大智は、質の良い直球と決め球のカットボールが光った。将来性もあり評価は急上昇した。

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