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早朝から40分ノック 前田を倒したい!「夢」かなった履正社・福田が歓喜の輪の中心に

2023年07月31日 04:01

野球

早朝から40分ノック 前田を倒したい!「夢」かなった履正社・福田が歓喜の輪の中心に
<大阪桐蔭・履正社> 9回2死、大阪桐蔭・村本を空振り三振に斬り、、力強くガッツポーズする履正社・福田(左)。捕手は野上。 (撮影・須田 麻祐子)  Photo By スポニチ
 【第105回全国高校野球選手権大阪大会決勝   履正社3-0大阪桐蔭 ( 2023年7月30日    大阪シティ信用金庫スタジアム )】 第105回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会は30日、2大会で決勝を終えて全49代表が出そろった。大阪大会ではノーシードから勝ち上がった履正社が夏の決勝では5度目で初めて大阪桐蔭を破り、4年ぶり5度目の優勝を飾った。プロ注目の最速150キロ左腕・福田幸之介(3年)が被安打3で完封し、大阪桐蔭・前田悠伍(3年)との左腕対決に完勝した。組み合わせ抽選会は8月3日に大阪市内で開かれる。
 歓喜の輪の中心に左腕がいた。大阪桐蔭・前田ではない。勝ったのは履正社・福田だった。

 「直接対決で倒してやると思い描いてきた。それが夢だった。現実になって良かった」

 宿敵・大阪桐蔭の壁を超えられずにいた。同世代で同じ左腕の前田には1年秋から過去4度の対戦にすべて敗れた一方、自身は競争から抜け出せずに2桁背番号が続いた。今夏も10番。準決勝で完投した同じ左腕の増田壮(3年)とともにダブルエースの一人として大一番の先発を託された。「何としても大阪桐蔭に勝たないといけない。完投すると思っていた」。課題の制球が改善されて3与四死球にとどめ、散発3安打に封じた115球の力投。3―0の9回2死から空振り三振で締めくくり、投げ合いを制した。

 唯一、背番号1を付けたのが今春選抜だ。高知との初戦で8回先頭まで無安打に抑えながら、制球を乱して敗れた。春季大会も守備の乱れから4回戦敗退。守備力強化を目指した内野陣は早朝練習を導入し、授業前に約40分間ノックを受け続けた。投手陣も昼休みに教室に集まって強化練習。「投手が一番練習しないといけない」と一足先に2年秋から早朝の個人練習に励み続けた努力は実を結び、選抜後に自己最速を5キロ更新する150キロに到達した。球速では前田(148キロ)を上回って今夏を迎え、守備陣も決勝で無失策と支えてくれた。

 「去年の決勝で0―7とコールドのような負け方をしてから、何としても大阪桐蔭に勝たないといけないと思ってきた。(主将の)森沢(拓海=3年)に大阪の優勝旗を持たせたいと話し合ってきたので夢みたい」

 大阪桐蔭との夏の決勝は5度目で初勝利。前田という好敵手の背中を追い、最後の夏に悲願の頂点に立った。 (河合 洋介)

 ◇福田 幸之介(ふくだ・こうのすけ)2005年(平17)8月11日生まれ、大阪府大阪市出身の17歳。小学2年にニューヤンキースで野球を始めてから投手一筋。中学では大阪柴島ボーイズに所属。履正社では1年秋に背番号20でベンチ入りし、3年春の選抜大会では背番号1。50メートル走6秒8、遠投100メートル。1メートル80、77キロ。左投げ左打ち。

【プロスカウトの声】
 ▼DeNA・河原隆一スカウティングディレクター 手元の直球の強さを感じる。四球で崩れず、ゾーンの中で荒れるイメージ。
 ▼巨人・渡辺政仁スカウト 直球に強さがある。球に勢いを感じる。
 ▼ロッテ・三家和真スカウト 馬力があって、球速を出せるポテンシャルを感じる。

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