満塁弾の阪神・佐藤輝 お立ち台で虎党に約束 「最高です!明日も絶対勝ちます!バモス!」

2023年09月14日 05:15

野球

満塁弾の阪神・佐藤輝 お立ち台で虎党に約束 「最高です!明日も絶対勝ちます!バモス!」
<神・巨>3回、佐藤輝は先制の満塁本塁打を放ちナインに迎えられる(撮影・後藤 大輝) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   阪神4―0巨人 ( 2023年9月13日    甲子園 )】 ついに「アレ」へ王手!阪神は13日の巨人戦に快勝し、9月負けなしで今季2度目の10連勝を飾って18年ぶり6度目のリーグ優勝へマジック「1」とした。3回1死満塁、5番・佐藤輝明内野手(24)がバックスクリーン右へ決勝19号満塁本塁打。特大の一発で、左打者ではプロ野球史上初の入団から3年連続20本にも王手をかけた。14日の同戦に勝つか、引き分け以下でも2位・広島の結果次第で、球団史上最速の優勝が決まる。
 快音とともに甲子園の夜空に描きだされた圧巻の放物線に、スタンドの虎党は狂喜乱舞した。ついに18年ぶりの「アレ」へマジック1。長かった。待ちわびた。カクテル光線に照らされたお立ち台で若き大砲・佐藤輝は声を振り絞った。

 「最高です!明日も絶対勝ちます!バモス!」

 3回無死満塁で巨人は2番手・松井に交代。目前で4番・大山が空振り三振に倒れたが、問題ない。俺がいる。一振りで流れをたぐり寄せた。カウント1―1からの3球目、高めに浮いたシンカーを一閃。「完璧な当たりだった。1打席目は風に負けたので、2打席目は負けないように。最高の結果になってよかった」。2回先頭の第1打席で浜風に押し戻された中堅フェンス直撃の二塁打を糧に、ここぞの絶好機で向かい風を切り裂いた。5月14日DeNA戦以来、自身2本目のグランドスラム。球団左打者の甲子園でのシーズン2本は81年藤田平以来42年ぶりだった。

 ただし。その値千金のアーチよりも喜んだのは、今季自身116試合目にして初めて記録した猛打賞だった。「それがめちゃめちゃうれしいですね。今シーズン初めてなので。一番うれしいです」。状態の良さを物語る3安打に破顔した。

 グラウンド内外問わず“アニキ”としての風格が備わってきた。試合のなかった11日には整骨院でたまたま出くわした森下を誘い、2人で焼き肉へ。たわいもない会話を楽しみ、翌日以降の決戦へと英気を養った。同じドラ1で、ともに中軸を担う先輩からの気遣いに、森下も「気にかけてもらってめちゃくちゃうれしいですし、年も近いんで頼りにしています。いろいろ野球以外のことも聞いたりしている。同じ野手として一番近い存在」と感謝する。息ぴったりの“仲良しアイブラック兄弟”。ともに紆余(うよ)曲折、試行錯誤をへて、今季の猛虎に貢献してきた。

 優勝マジック「1」とともに、個人としては左打者としてプロ野球史上初の入団から3年連続20本塁打にあと1本とした。自らの一発で「アレ」を成就させれば、これ以上のフィナーレはない。「試合に入れば集中してやりたい。甲子園で決めたい?それはもちろん。決めたいと思います」。球団史上最速Vを、自らのバットでたぐり寄せる。(阪井 日向)

 ○…佐藤輝(神)が3回、松井から右中間へ先制の満塁本塁打。満塁弾は5月14日のDeNA戦(甲子園)4回に三嶋から打って以来、今季2本目、通算3本目。阪神でシーズン2本は20年のボーアと大山以来。甲子園で2本は13年の新井良太以来で、左打者に限れば81年藤田平以来42年ぶりだ。これでシーズン19本目。プロ野球で過去6人が達成し、左打者では史上初となる新人から3年連続20本塁打へリーチをかけた。

 ○…阪神が勝利、2位広島が敗れてマジックは「1」。阪神は最短できょう14日に18年ぶりの優勝が決まる。条件は「阪神の勝利」か「広島の敗戦」または「阪神、広島がともに引き分け」でも決まる。勝って連勝を11に伸ばし、2桁連勝でVを迎えると58年西鉄(13連勝)以来65年ぶり2度目でセ初となる。また、14日決定なら阪神では03年の9月15日を更新する最速セ・リーグ制覇。2リーグ制以降ではパの前期優勝を除けば、90年巨人の9月8日、16年広島の9月10日に続く3番目の速さになる。

おすすめテーマ

2023年09月14日のニュース

特集

野球のランキング

【楽天】オススメアイテム